ヨメさんと桜の調査に行った帰り、新しくできたラーメン屋さんで呑んで帰った。

前のお店もラーメン屋だったので、改装工事が抑えられる居抜き物件として入った様だ。
マスターは1人だけで調理するワンオペの体制のせいか、ツマミは多少あるものの、飲み物は瓶ビールしかなかった(苦笑)。

料理は比較的美味しいのだが、麻婆豆腐は辛味の主張が強くて何かが足りない……。
マスターは日本の人じゃなかったが、辛味だけでは弱い印象を感じる。
例えば毎週通う馴染みの居酒屋では、味噌を和えたひき肉で麻婆豆腐を調理するのだが、丁寧な分だけコクがあって、辛味だけではなく一枚上手なのだ。

ラーメンも優しい味で美味しかったが、どちらかと言うと中華そば寄りで、これでは激戦区であるオレの近所で差別化して生き残る事は難しい気がする。

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辛味噌丼も同じで、辛味噌の風味と味を楽しむならば、米はもっと水を少なく、固めに炊かなければ半減してしまう気がした。

ただ、ヨメさんは「美味しい!」と喜んでいたので、バカ舌なのか、オレがうるさいだけなのかも知れない(苦笑)。

ここまで出てきた料理のお皿は全てバラバラ、麻婆豆腐や丼なんかもレンゲではなくスプーンだった事に「(これじゃなかなか厳しそうだな…)」と感じた(汗)。

オレの仕事は飲食ではないが、飲食に限らず「(自分だったらどうするか?)」を考える様にしていて、飲食の世界で生き残る(利益を出し続ける)事が、いかに困難かを感じている。

それは材料費の高騰・変動に加え、従業員の確保や余った食材の廃棄、コロナの様な感染病による生活習慣の変化など、さまざまな要因を絶えず考えなければならないからである。

居抜きで入ったという事は、前回もダメで流行らなかった訳で、よほどの勝算が見込めなければリスクは大きいはず。

その勝算とは何なのか。単純な味・価格・立地以外にも、今はSNSの普及による宣伝や、第三者による広告、俗に言うバズらせるなど、さまざまな戦略があると思う。

その為には使うお皿1つ、食べるスプーン1つにこだわるかも重要で、例えばオレがよく行く沼津では、漁港なのに漁港とは思えない食器で丼を出す店もある。

これなら写真にも映えるし、漁港とはいえ若い女性なんかも喜びそうだ。
店に入るハードルも下がるだろうし、お店なりの経営戦略として、ただ食べさせるだけではない+αを常に考えているのだ。

数日後に再びラーメン屋の前を通ったら、夕食どきにも関わらず、誰も居ない店内でマスターが独りつまらなそうに厨房奥の椅子に座っていたが、どこの業界も同じで、生き残る店は絶えず神経を使って信じられない努力をしてるのだろう。

自分と違う職種とはいえ、オレの様に個人で立ち回る様なヤツには、色んな目線で見て・考える事は重要なのである(苦笑)。

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