デザイナーから漫画家へと進化したオレは、シナリオを書く脚本家としてもメシが食える様になり、そこから両方に精通するディレクターとしても活動できる様になった。

どちらも『書く』と『描く』仕事でありながら、ディレクターとして更に求められるのは『コミニュケーション能力』で、クライアントはもちろん、自分が手がけるライターさんや漫画家さんたちと頻繁に連絡を取り合わなければならない。

「(フザケんな)」と思う様な作品が上がってきて怒る時もあるし、褒めて伸ばして次に繋げる時もある。
経験上、依頼される側は褒めればやる気を出して頑張るし、『頑張る』結果が+αとなり、更に作品のクオリティが上がる。
オレを通す事で作品のクオリティが上がればクライアントも喜ぶ訳で、この『やる気を引き出すコト』が地味に難しい(笑)。

何せコンタクトの手段は『文章』だけで、女性のライターや漫画家さんも多いから会議どころか通話すら遠慮している。文章で相手のミスを指摘しながら次に繋げて頑張って欲しい事を伝えるのだから、なかなかハードルが高い事を毎回続けているのだ(苦笑)。

だが、クライアントに気に入られて取り込まれれば、自分1人で描く(書く)よりも圧倒的に利益率が高くて稼げる訳で、オレにしかできないという付加価値がつけばつくほど、報酬は上がる。
これはオレが考えている『1万円をどう稼ぐか?』でもあり、外に働きに出ずとも暮らしていける収入として、非常に効果的で重要、ただ闇雲に描いて(書いて)るだけでは壁を越える事は難しい。

実際オレがデザイナーとして仕事を受けなくなった理由は『プレゼン』があるからで、毎回自分の作風をクライアントに見てもらって、数多くの中から選ばれなければならない。選ばれなければそれまでの労力は無駄になるし、これは漫画の仕事も同じ。『選ばれる』までアタックを続ける事、これが労力にそぐわず苦労してきた。

その点シナリオは『描く』よりも時間がかからず手離れも良い。そして『文章』を追求する事で主戦場として必要とされる色んな相手とのコンタクトにも、とても有効な手段として活かす事ができるのだ。

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*漫画家Aさんの場合

・丁寧なお返事ありがとうございます。
どうしても手癖があるので修正に関しては今後気を付けるようにいたします。

・お世話になっております。
ご承諾ありがとうございます!
諸々に関しましても承知いたしました。
融通きかせていただきありがとうございます。
キャラデザのみなら早めに提出もできそうなので、シナリオをもらい次第チャットにはしっかりお返事させていただきます。
色々とありがとうございます。
よろしくお願いいたします。

*漫画家Bさんの場合

・承知いたしました! なるべく早く着手開始できるように努力いたしますので何卒よろしくお願いいたします。 ご連絡お待ちしております!

・きちんとしたロジックを持たずに作った構図がほとんどなのですが、 こうやってとても分かりやすく文章にしていただくと、その「良い」としていただいたポイントがはっきりと頭に残って 次回以降にも活かしていけると思いました……! すぐに見返せるよう、大事に保存しておきます! ありがとうございます

*漫画家Cさんの場合

・わああ……!こんなにていねいにご教授いただけるとは…ありがとうございます!!

・減調した画像の上から線画を足す、というのは自分では全く考えつきませんでした… (添付いただいた漫画の背景も、パッと見てイチから描かれたものだと思ってしまいました) とても丁寧に、そして的確に私が懸念しているポイントを整理してくださりありがとうございます……!(自分でもモヤっとした感覚でしか問題をとらえていなかったので…)

ざっと漫画家さんとのやり取りを並べてみたが、反応を見ても解る様に、皆んなオレが昼間っから酒を呑んでハーレーを乗り回すガラッパチだとは知らない(笑)。だが、いかに文面だけでオレが皆んなを騙して(?)その気にさせてるかは解ってもらえるのではないかと思う(苦笑)。
オレもクライアントに雇われてる身なので、ここまで漫画家さんたちがオレについてくる(=動かせる・言う事を聞いてくれる)事は、クライアントにとっても大助かりな訳だ。
社会人として当然なのだが、『文面だけ』というハンデを克服する事こそ、オレの様なSNSというフィールドでフリーランスとして個人で活動し、より良い関係を構築させて仕事の幅を広げる為には重要な手段なのである。

そして『文章力』は毎日のブログで磨かれ、シナリオという物語を作る上で必要な『相手の感情を動かす手法』や『構成』は、連載した『漫画』で培ってきた『感性』で活かされている。
その両方をコミニュケーションのスキルとしても活かす事で、仕事の幅が広がってきたのである。

(*つづく)

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