昨日遠近法が表現できない漫画家さんの話をしたが、オレは自分のパイプとして腕の立つ声優さんや漫画家さんを独自で抱えている。

だからオレが仲介に入って運営者さんに「良かったら紹介しますよ」なんて提案もするし、腕の立つ漫画家さんばかりなのでサンプルを見た運営者さんから「他でも見た事のある有名な方ですよね!」なんて喜ばれたりもする。

オレが関わっている漫画の仕事は一般の2.5〜3倍近く単価が良いので、漫画家さんに紹介しても「是非お願いします!」なんて感謝されるし、結果win-winの関係が作れるのだ。

先日、そんな形で仕事を振った漫画家さんが、オレにラフを見せにきた。
だが、オレが紹介したぐらいだから向こうもオレを知ってるはずなのに、手を抜いて描いてくるのである(汗)。

最初に説明しておくと、漫画1本で生計を立てる事はなかなか難しい。その漫画家さんは他でも見た事があると言われるぐらい有名な漫画家さんなので、単価の良い仕事しか受けないレベルなのだが、それでも手を抜くのは数をこなさなきゃ稼げない訳で、普段から手を抜かない姿勢ならば逆にオレが仕事を紹介しようとしても、予約が埋まってると断られたっておかしくないのだ。

腕はあっても手を抜く姿勢が敬遠されているからこそ、「是非お願いします!」なんて言わなきゃならない状況になっているし、オレも自分1人で描いたところで限界があると解っているから、描くよりも描かせる側に周り、より単価が良い相手と仕事をしながら、他で自分も書いたり・描いたりしている訳だ。

そういう事情だから腕が立つとはいえ信用できないとも思っていて、ラフに入る前にキャラクターデザインを描いてもらった。今回のシナリオのイメージや、ターゲットになる年代に合っているかを確認する理由だが、「(コイツ手を抜いたりしないよな……)」という事前のチェックが目的でもあったのだ(笑)。

その時に上げてきたキャラデザのカットを一部だけ載せるが、実際こんな感じ。

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『右』に流れる髪の毛の流れに対して光の反射(髪の毛の光沢)は直線どころか逆方向で「そんなワケあるかい!」となる(汗)。当然ながらオレも知ってる漫画家さんなので「アンタが描けないワケないでしょう?」だし、手を抜いているのである(汗)。

向こうにしたってオレを知ってるのだから、こんなモンをオレが通す訳がないし、オレは無償で紹介している。オレのカオを立てろとまで言わないにしても、オレの顔を潰す様な事はしてくれるなと思う(汗)。

本来ラフは色まで入れないので、この仕上がりは最後の色入れの工程まで解らないのだが、危ないから1カットだけキャラデザとして描いてもらったら案の定だった(汗)。

服装などもシンプルで、全員が『丸首』の『Tシャツ』や『トレーナー』…ダメとは言わないが、単色ベタ塗りで描いたキャラよりも、チェック柄やストライプ、女性キャラならネックレスなどのアクセサリーまで描いた方が、漫画としても当然映える。

それを省く理由は手を抜くからで、他の仕事もどんどん消化しないと稼ぎにならないのだろうが、結果信用を失えば需要そのものが無くなってしまう事に本人は気づいてない(汗)。

もちろん容赦なく戻して直させたが、最初の仕事がこの有様じゃ早くも黄色信号だし、次の仕事も依頼するかのカギをオレが握っている事にも気づいてないのだろう(オレが推せば運営者は納得するし、もちろん切る事も可能)。

本人の頑張り次第なのだが才能はあるのでもったいない限りだし、残念でならない(汗)。

*メールの紹介*

『デキルンカ!大SUKEfromおー宮史郎さん(汗)』からメールを頂きました。
ありがとうございます(笑)。

題名: 炸裂してマスのー

厳しいー
見透かされてますね~(汗)
がく然としますねエセ漫画家にわ(笑)
実はボキも漫画家だス
正直最近自称漫画家おお杉!
うまい奴もいますが8割自称でしょ
だいたいネットでちょこっと書いてるだけ!
ろくな漫画いないっすよね~(笑)

ありがとうございます。
オレはそんな漫画家さんたちを相手にしてるので、仰る通りですね(苦笑)。

でも上手な人はホントに上手ですし、だからこそ差が激しくもあります(汗)。
先日はそんな上手な漫画家さんを運営者の会社に専属で囲う為にオレが動いて、熱心に説得する事で見事に成功しました(笑)。

趣味とか漫画以外の事もじっくり話して安心して理解してもらうんですけど、女性の漫画家さんなので距離の関係にも気をつけないといけないですし、その間のやり取りも全部メッセージの文章なので、言葉選びも重要です。そしてこういう時にも漫画家以外の文章力が活かされてマス(笑)。

運営者さんの希望で「この漫画家さんとは長くお付き合いしたいので単価を上げてお願いしましょうか?」なんて相談をされ「賛成と言いたい所ですけどオレは反対です。単価を上げれば喜ばれますけど、上げた報酬は下げる事はできないので、長く付き合うなら段階を踏むべきです」と説得。結果オレが熱心に口説いて(?)現状の単価のままで「こちらからも是非お願いしたいです!」と言わせました(笑)。こういう部分でも結果オレが評価される事にもなりますし、オレの報酬も自然と増える訳ですね(笑)。
オレも雇われの身ですが居なければ回らない仕組みを作る、『守り』ではなく『攻め』の姿勢でもあります。

オレの持論では漫画家はイラストレーターにもなれますが、イラストレーターは漫画家にはなれない。それは『構成』やセリフによる『文章の表現』が加わるからで、オレは自分で連載していた頃にスゴイ勉強しました(汗)。

オレが任されたのは見開きの2ページしかなかったので、その2ページに『どこまで詰め込めるか?』を追求してましたし、なにせチャンスは発売された時の2ページのみなので、そこで読者の心を掴んで印象(結果)を残さなきゃならない(汗)。

もっと大きくコマを取って強調させて描きたくてもスペースがない(汗)。それでもオチのコマは大きく残しておきたい等、究極アタマを悩ませてましたね(笑)。

自分に与えられたチャンスを最大限に活かす為に精一杯頑張りましたけど、色々な意味(?)で勉強になりました(笑)。

今度そんなウラ話を有料版で取り上げるつもりなので、良かったら見てみて下さい。
同業者でもあるとの事なので、お互い頑張りましょう(笑)。

ありがとうございました。

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