『肉』よりも『魚』が好物なオレは、沼津という土地は非常に新鮮で美味しい魚が食べられる、お気に入りの土地でもある(お店にもよるが:笑)。

沼津の様な土地で呑んでいて気がついた事で、唐揚げや餃子をバクバク食って、ビールをガンガンに呑んで盛り上がるというスタイルとは違い、1品1品を【しっかり味わい】、その時間を【酒で楽しむ】スタイル、それを決してお店側から強要されるのではなく、自分が好きで【その時間】を楽しんでいた。

それはまるで外国の雰囲気のあるバーや、日本の小洒落たバーで高い酒を呑む【時間】と同じ、店の雰囲気は大きく違うが、1つ1つの料理をしっかり味わってしまうし、その流れで酒をチビチビ呑む事に、非常に【幸福】を感じるのだ(笑)。

実は初日の夜に行った店で、ある事件が起きていた。

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オレとヨメさんは座敷に向かい合って座って呑んでいたのだが、オレたちの隣に同じ様に向かい合って呑んでいる男性客の2人組がいて、1人は60歳を超える感じの年配で『親方風』、向かい合う男性は30代前後の親方の元で働いているであろう、部下と思われる男性だった。

2人とも作業服姿だったので、オレたちの様な観光ではないし、店も地元のヒトしか行かない・しかも年配の人ばかりが行く様なお店なので、多分親方が晩メシをご馳走してやろうと部下を連れてきたのだと思う。

しかし2人の間で会話が一切なく、部下は向かい合って座ったきり、スマホを見ながらただバクバクと料理を食べているだけだった。

メガネをかけて暗そうな部下の無愛想な態度に、親方が怒っても良さそうなものだが、人手不足で辞められちゃう理由などもあるのかも知れない(汗)。
部下はずっとスマホを見ながら食べ続け、親方はつまらなそうに向かい合って座ったまま、オレたちよりも先に食べ終えて帰って行った。

オレはよっぽど親方の方に「この店美味いッスよね♡」と話を振ろうかと思ったぐらいだし、ヨメさんも2人が帰った後で「シゲちゃんが話しかけるかと思った」と言っていたので、ヨメさんにも親方が気の毒に見えたのだと思う。

オレたちは事前に電話して予約したぐらい、美味しい料理が並ぶ人気店なので、勿体ない気がすると同時に、喜ぶ部下を見たかった親方の気持ちを考えると、少しいたたまれない思いだった。

自分の価値を押し付けるつもりは無いが、【贅沢】を感じられる事は【幸せ】でもある様に思う。

しっかり味わえる料理がある文化は素晴らしい事だし、「美味しいね」と言い合える相手が居る環境は、幸せで恵まれている事なのだ。

オレはヨメさんとその【時間】を共有する事で解っているし、親方にも伝えたかったと、少しだけ後悔している。

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