昨日漫画チャンネルよりも朗読系のチャンネルが熱い話をしたが、漫画家であるオレが漫画の仕事がなくなるかと言えば、そういう訳でもない。

オレは書けるし描けるが売りでもあるので、今は朗読系のチャンネルで、10人ぐらいの脚本家が書いてきたシナリオをチェックし、赤字を入れて直させている。

手っ取り早く収入を上げていく為には、自分で書いてる場合じゃないという結論からだが、今はそんな仕事をしながら、単価の良い漫画の仕事をたまに描くといった感じ。

10人VS1人なので、引っ切りなしに原稿が上がってきて結構忙しい(汗)。

こんなオレでも脚本家どころか、脚本家の赤字を入れる仕事が務まるし、裏を返せばそれぐらい目を疑う様なレベルのシナリオが横行している(汗)。

先日、非常に面白いシナリオがあったのだが、脚本家が書いた物語のキャラクターの名前が『真実(まみ)』だった。

今どきといえば今どきの様な、可愛らしい名前。
だが、フザケんなレベルでNGである。何故か?

本文に出てくる本当の『真実』という文字と人名がカブって紛らわしいからで、要は『読みづらい』からなのだ。

『緑(みどり)』なんていう名前の女の子が書かれたシナリオもあったが、これもNG。
色の緑とカブるし、『縁(ふち)』とも取れる。
実際に文章として読む時をイメージしてもらえば、いかに混乱するかが解ってもらえるのではないかと思う。

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だって好きに名前を選んで良いのに、なんで敢えてそんな名前をチョイスするのか理解できない(ちなみに恵子や美貴子、裕子や茉莉子など、『子』がつく名前の方が明確だし、明確=人名として認識され易い、解り易いのだ)。

逆にカタカナにして『マミ』ならアリだし『ミドリ』もアリ。むしろその方が『人名』として、認識し易くなるのである。

物書きとして「(当たり前だろう…)」と突っ返すが、別にオレだって誰かに教わった訳じゃない。いかにして読み易くを考えれば 、自ずと答えが見えてくるというか、見る人が混乱する様な表現や表記は、物語から外れて覚めてしまうマイナスの要因しかないし、そこまで寄り添って考えて書けるかどうかなのだ。

相手に見てもらう、読んでもらってナンボの仕事だし、『面白い』と思ってもらう事を狙って書いているはずなら、もっと考えなさいという訳で、「なるほど…そうですよね、すいません!」となる。

漫画も文章も書いて(描いて)いれば必ず上達するが、最も重要なのは表現力とイメージで、それを追求する為には見る側・読む側に立って思いやる事が大事。

結構重要な事を言っているのだが、それに気がつけているからディレクターとして仕事が務まり、活動できているとも思う。

おそらく、これも立ち回る上での武器なのかも知れない。

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