オレが主に活動しているYouTubeの漫画チャンネルで、ある変化が起きている。

クライアントに当たる運営者は、漫画チャンネルを運営しながら、さして漫画が好きというよりは金目当てな人が多く、再生回数をいかに稼いで、再生途中に差し込まれる広告費の売り上げを狙っている。

再生時間が長ければ長いほど広告の単価が高くなるので、5分よりも8分や10分の動画の方が、回収できる金額は大きいのだが、長く再生させる為には脚本も長く、漫画家さんにもたくさんのコマ数を描いてもらい、声優さんにもたくさんのセリフを喋ってもらう。さらに動画編集さんにも長尺でまとめてもらわなければならない訳で、要はそれだけ『コスト』もかかる。

視聴者のターゲットの年代が若ければ、再生時間が長いと『飽きやすく』、面白くなければ途中で離脱されてしまう。各チャンネルごとに『離脱率』があり、離脱率が高いと半分もいかない、60%が途中で離脱してしまうなんてチャンネルもある。最後まで見られないから、広告も減ってしまうという仕組み。

運営者たちは頭を悩ませ、どうやって飽きさせないで観てもらうか?を考えて工夫しているのだが、そんな業界では今、朗読系がアツいのだ。

朗読系とは、静止画をバックに声優さんがシナリオを朗読するのみ。テーマは家族や感動を扱ったチャンネルが多い。

スポンサーリンク

ターゲットは50〜60歳と思い切り高めの層なのだが、これが需要があって非常に今伸びている。

漫画チャンネルで漫画の作品を1本完成させるのに、一番コストがかかるのは漫画家。朗読系は漫画家が必要ないので、1本辺りの製作費が半分近くまで抑えられる。つまり、倍の数を公開できるのだ。

そして、ターゲットの層が年配なので、離脱率も低い。20分近い長い動画でも、途中で止めずに最後まで観てくれるのである(ハッキリ言って、面白くはない:笑)。

そりゃ旨味も大きいし、もともと金目当てで始めている運営者は、朗読系の方にも手を出す訳で、緩めで穏やかな内容の動画がウケている。

以前少し話した事があるが、どんどん便利になっていくこれからの時代、『時間』の取り合いで色んな事に『時間』が関係してくるとオレは読んでいる。

『迅速なサービス』もしかりだし、若い世代は短い『時間』で『情報』を得たいと思うから、長い動画や内容の薄い・つまらない動画は途中で離脱されてしまう。

今、それだけ年配の層が動画を観る方へ『時間』を使っているという事は、次に無くなるのはTVだ。

TVのメリットがどんどん減っているのは、TV以外で情報を得られる様になってきたからで、若い子や子どもたちは既にほとんどTVを観ないと聞いていたが、ここにきて年配の層まで『時間』をTV以外で使い始めた。

この流れはこれからも加速する。

これからどうなるか、ちょっと楽しみである(笑)。

スポンサーリンク