最近、新しく見つけた居酒屋さんをよく利用するようになった。
オレたちが気に入る3つの条件、『安い』『美味い』に加えて『(開店時間が)早い』という限られた条件をクリアし、日曜日だけ11:30から開くお店である(笑)。

先日2回目に行った時に「先週もいらっしやいましたよね」と声をかけてもらったのだが、3回目に行った時は同じ席に案内されただけではなく、注文をする前からオレとヨメさんが呑む酒(=いつも呑んでる酒)まで覚えてくれていた(笑)。

所詮は週に1度しか行かないし、その間は夜も含めてたくさんのお客さんが来るはずなので、それを記憶できるほど行き届いたサービスは驚きだし、素直に嬉しい。

もう1件、昔から通っている馴染みの居酒屋があるのだけれど、その店はこの前の緊急事態宣言が解除になったタイミングで、店員さんが全員入れ替わってしまった。

新しい店員さん達とも良好な関係なのだが、交代前に居たマスターともう1人の店員さんは、グラスが空になった『音』を聞き逃さない、飲食のスペシャリストだった。

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要は客がジョッキを飲み干して「おかわり」を注文する、その為に『店員さんを探す』&『呼び止める』前に、ジョッキを飲み干す『動作』や、空になった時に鳴る氷の乾いた『音』(入ってる状態では氷の音がしない)に注意していて、コッチが注文しようとする前に、ほぼ100%注文を聞ける状態をキープしているのだ。

お店が混んでいる状態だろうと、他のお客さんと話している最中だろうと、ソコは徹底して見逃さないので、ヨメさんと「スゲェよなぁ…」と感心していたのだが、店員さんが入れ替わってからは逆に気づかれなくなったので、『お店の教育方針』ではなく、『個々のスキル』だった事が解った。

しかも、その店は店員さんが入れ替わった事により、2人から3人に、1人増えている。本来余裕があるはずなのに、『気づける人』と『気づけない人』のタイプに別れるのである。

気づけない事が悪いとは言わないが、やっぱりスキルという『能力』にも関係していて、気づけるぐらいのスペシャリストだからこそ2人でもサバけるし、店を回せていた。本来は3人必要なのかも知れないぐらいの環境でも対応できる、スキルの高さだったのだ。

以前マスターがコロナ禍の影響で人件費を抑える為に、独りで店を切り盛りしている時期があったのだが、閉店の頃には洗い場どころか、空いたテーブルまで洗い物の皿やジョッキの山になってしまうと言っていた。
それは『客を待たせない』『料理を優先する』という徹底した信念からくるプロ意識の高さで、こういう人が仕事の組み立てが出来て優先順位を付けられる『仕事ができる人』なのだろう。

「閉店後はマジで2時間近く残って、ひたすら洗い物ッスよ」と笑っているマスターは、まぎれもなくスペシャリストだった。

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