マーコさんは高知で知り合った安◯さんの幼馴染で、女の子みたいな名前だけどゴリゴリのオッさんだ

幼馴染という言葉よりも悪友という言葉がピッタリくるような、学生時代から悪いことばかりしていた悪業の数々は、ここには書けないような事ばかりである

去年の夏に安◯さんとマーコさんと高知で呑んだ時は、2人でひろめ市場に来るお客さんに声をかけてはナンパして、互いのカッコをディスりあっていたし、女の子がマーコさんの方を選んだ時は、コッチが引くぐらい喜んでいた

12月に行った時は、安◯さんは東京で経営している居酒屋が忙しくてオレたちだけだったけど、ひろめ市場でマーコさんが普通に呑んでいてビックリしたし、マーコさんは「なんで居るがぁ?」なんてもっと驚いて、オレも「何やってんだよ(笑)安◯さんにチクるゾ?」なんて言って盛り上がったっけ

「死ぬまでに一度、東京に行ってみたい」と言い出して、4月に東京に来た時は、安◯さんの家に3日ほど泊まり、オレも安◯さんの居酒屋に顔を出して一緒に呑んだ

「高知には無い競艇に連れて行ってやるんだ」という安◯さんと、東京に来たついでに帰りは沼津の弟の家に寄って帰るというマーコさんに、沼津への安くて便利な行き方をオレが教えたりして盛り上がった

そんなマーコさんが、先日亡くなった

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高知に帰ってから、喉が痛くて声が出なくなって入院したらしいと安◯さんから電話がきて、「大丈夫なんスか?」と聞くと、ポリープだと言うし、安◯さんは自身も喉のポリープは取った事があるらしくて、「大した事ねぇよ」なんて言っていた。だが、その後チョイチョイ安◯さんからかかってくる電話は、あまり良くなってないらしく、どうやらポリープではなく癌だったみたいで、抗がん剤で治療しているなんて言うし、その度に「大丈夫なんですか?」と安◯さんに聞いても、回復には向かってるから、高知に行く時には一緒に呑めるだろうと言っていた

安◯さんに「いやいや、酒を呑ませちゃマズイだろ!」とオレが言っても「バカ野郎。酒は大丈夫なんだ」と何が大丈夫なのかサッパリ解らない事を言っていたので、オレは夏に高知に行ってもイザとなったら安◯さんが呑ませるのを止める気でいたし、最悪退院が間に合わなくてもお見舞いに行こうとヨメさんと話していた

だから安◯さんからの突然の知らせに耳を疑ったし、安◯さん自身も信じられない様子で「もう一回調べてから電話する」と言っていたが、それっきり電話は来なかった

夜まで待ってこっちから安◯さんに電話するとかなり酔っ払っていて、本当に亡くなった事を知った

まだ69歳だった

去年の夏にひろめ市場で酔いつぶれて寝てしまい、ヨメさんが買った水を飲ませた時は、「今まで生きてきて一番美味い水だ」と喜んでいた

オレたちに高知で暮らす事を薦め、「オレが生きている間だったら仕事も住む場所も面倒見てやれるから」と言ってくれていた

今年の夏も、普通に会えると思っていた

どうもありがとう、マーコさん

ご冥福をお祈りします

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