あるクライアントから、ディレクターの依頼がきた。
自社の管轄で漫画制作をするらしく、その統括をオレに任せたいという。

月に15〜20本のペースで作る計画らしいので、実現するならかなり美味しい仕事になるのだが、このクライアントとは今年の1月、およそ半年前に相談を受け、色々とアドバイスをしていたものの、それきり突如音信不通になって、今回久しぶりに連絡がきたという、少々イレギュラーな関係だった(苦笑)。

オレの業界は誰とも会った事がないぐらい、連絡のやり取りの基本はメッセージのみ。こういった一方的な音信不通は『あるある』ネタで、クライアントもクリエイター側も珍しい事ではない。
ただ、『信用』で成り立っている仕事なので、いくら美味しい仕事であろうと、再び音信不通や未払いによるバックレなんてされた日には、たまったものではないのだ(苦笑)。

正直、オレは独自のパイプを持っていて、他では「この漫画家さんのタッチで描ける人を探している」と相談される様な、サンプル本人の漫画家さんたちとも繋がっている(笑)。
そういった漫画家さんを紹介する事もできるし、オレの『強み』でもあるのだが、そんな危なっかしいクライアントを紹介する訳にもいかないし、漫画家さんたちとも『信用』で繋がっている(笑)。

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そういう理由で条件が良かろうと断ったが、オレに断られた事で手探りで進めるプロジェクトはあまりに危険、失敗してやり直す『時間』と『損金』たるや、非常に高いリスクである事は間違いない。

オレは自分で漫画も描くしシナリオも書く。漫画家さんたちとのパイプも持っているし、今まで経験してきたクライアントたちの失敗(=失敗を回避する為のノウハウ)も知っている。ぶっちゃけ「ここまでクラスのディレクターとは会った事がない」とクライアントたちから言われてきた。

いきなり音信不通になった半年間が、クライアントの準備期間だったのかは不明だが、準備した予算が全て吹っ飛んで、マイナスからプラスに転じるまでのチキンレースになるはず、これも過去のクライアントたちと関わって来て、まず間違いないし、そんなに甘い世界ではない。

軽い気持ちでスルーした音信不通だったのかも知れないが、結果は大きく左右する。
だからオレは普段から絶対にケアを怠らないし、SNSの世界であろうと、仕事は『信用』が全てなのである。

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