『マネジメント』や『リスク管理』なんて言葉を聞くと、いかにもビジネスっぽくてカッコイイ&聞こえは良いが、関わる本人は結構必死である(苦笑)。

先日ディレクターの仕事で、ラフを見せたら見本が変わって赤字が入り、1つのキャラクターだけを全て描き直さなければならなくなった(汗)。

作業の工程的には、最初にキャラクターデザイン→ラフ→線画(清書)→色入れ(仕上げ)→納品(完了)

なのだが、最初のキャラクターデザインでOKをもらっていたから進めたラフで、別の見本に合わせろと後出しで持ち出す事はルール違反である(汗)。
それでも1箇所・2箇所程度なら渋々コッチが受け入れようものの、それがかなりの広範囲で登場するなら、次の線画(清書)に進める前に、もう一度チェックしたいぐらいの『やり直し』で、別料金を請求したいぐらいのレベル(汗)。

しかもオレのポジション的に自分が描くのではなく、漫画家さんにお願いする立場なので、漫画家さんから「これ、別料金は貰えないんですか?」なんてウザがられても仕方ないし、クライアントにも「これを全部修正させるのはルール違反なので、別料金を請求したい(プラスで◯◯◯円払って下さい)」なんて、面倒臭い交渉をしなければならないのである(汗)。

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クライアントは自分が描かないからこそ簡単に言うが、単純に手間が増えれば納期も遅れるし、間に挟まれるオレにとっては、非常に頭の痛い問題だった(汗)。

で、結局クライアントには「別料金を請求する案件だ」という恩を売って、今回は『貸し』を作った。
漫画家には事情を説明し、漫画家も『もう1回チェックする』という工程が加わる事は手間でしかないので、ダイレクトに修正をして線画(清書)を進めてもらい、清書時のチェックで赤字が多くても対応してもらう事を了承してもらった。
少しでも赤字の解釈・行き違いを減らす為に、漫画家と通話で話しながら1ページずつ説明し、見返りとして『次の仕事』の予定を伝え、依頼する事を約束した。

フリーで活動している漫画家は、次の仕事が確保されている保証は非常に大きく、それがオレの扱う仕事の様な、高額な単価ならば尚更である。
オレも同業者であるからこそ解る『安心』を与える事で、今回の理不尽な事態をなんとか乗り切ったのだ(苦笑)。

結局クライアントも漫画家さんも双方に納得してもらい、事なきを得て進んだのだが、こういう事が『マネジメント』と『リスク管理』なのだろうし、一歩間違えば泥沼に揉めて、途中で空中分解だってあり得たトラブルなのである(汗)。

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