ディレクターをしているクライアントから、「この漫画家さんに描いて欲しい」という漫画家さんを紹介された。
絵のタッチは人それぞれ、好みなので構わないのだが、その漫画家さんに描かせた所、最初に上がってきたラフの出来がイマイチだった(汗)。
シナリオに書かれたセリフに合わせた構図を、漫画家さんが考えて描いてくる訳だが、「(う〜ん…)」と思ってしまう。具体的に指摘するなら『喜怒哀楽』を表す『表情』も少なく漫画全体が単調で、一度描いたカットを使い回すコピーも多く、4箇所ぐらいで同じカットが入れてある(汗)。
これは明らかに手抜きなのだが、同業者として解らなくもない。ただ、「(上手くやれよ!)」とは思う。そんなカンジである(苦笑)。
それでもクライアントが選んできた漫画家さんだったし、オレが感じる不満は特に言うまいと思ったものの、クライアント自身はオレ以上にガッカリしてて、「……どう思います?」と嘆いていた(汗)。
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漫画家さんに対してもクライアントに対しても解り易い、明確な指示として、オレがラフだけ描き直す事を請け負ったものの、修正したラフを見たクライアントは素晴らしいと大絶賛だったし、「……一時はどうなるかと頭を抱えました」と安心していた(笑)。
絵のタッチが気に入ったと連れてきた漫画家さんは、確かに上手なのだが、それを漫画にするとなると勝手が違う。
セリフの内容も同じで、登場キャラも同じなのに、中身が全然違う結果で表現する力は『構成』であり、この構成が伴わない漫画家さんが、実は非常に多い(汗)。
だからオレの様な商売が成り立つ訳だが、オレはシナリオも書けるので、ソコから更にページを増やす事も減らす事もできる。まさに痒いところに手が届く、ある種のオールラウンダーな訳だ(苦笑)。
描き直したオレの作品を見たクライアントから「こんなに別モノに変わるんですね……」と感心されたが、それがオレの武器だし、静止画の立ち絵しか描けない自称・漫画家が多いのだ(汗)。
そしてオレは理解しているからこそ、AIの進化を待って、更なる高みが目指せると思っているのである(笑)。
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