オレは今の仕事に就いて4〜5年経つのだが、未だ仕事の関係者と一度も会った事がない(苦笑)。
通話で話した事こそあれ顔は見せてないので、これはなかなか地味にすごい事だと思うのだが、オレが働くフィールドはそういう世界なのだ。

一度も顔を合わせた事のない相手から、『信用』を得て積み重ねなければ、収入の幅を広げる事は難しい。収入の幅に限らず人脈も重要で、妊婦さんの漫画家さんが出産・育児の為に引退したが、戻れる時が来たらオレを頼りたいと言ってくるのは、彼女にすれば数年のブランクをショートカットできる、強力なパイプを残している事になるのである。

実際に仕事を探す側になってみると、見ず知らずの相手に自分を売り込んで、まずは1度でも仕事のチャンスを貰わない事には始まらない。
それでもクライアントによっては、連絡も不充分でままならない相手もいれば、未払いのままバックレるなんて、犯罪まがいの相手だっている。
それはワーカー側も同じだし、イキナリ音信不通で連絡が取れないヤツ、しゃあしゃあと手を抜いてきて「これ以上は別料金を頂きたいです」なんて漫画家だっているし、どっちもどっちの世界。そんな環境で渡り合いながら、結果を出していかなければならないのである。

だから上手くいかずに挫折して、諦めて消えた人も多いし、オレ自身が「(そりゃそうだ…)」とヘンに納得してしまう(苦笑)。

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オレはこの仕事に就いて、ほぼストレスが無くなった。
誰とも会わずに自宅に居るから当然なのだが、これはサラリーマンを辞めてみて、いかにストレスだったかを痛感したし、こんな快適ならもっと早く行動を起こすべきだとも思ったぐらいだ(笑)。ただ、そうなると今のハーレーなど環境も変わってきそうなので、一概には言えなくなってしまうのだが、それぐらいストレスを感じない環境は幸せだと思う。

しかしストレスが無い様な快適な環境だからこそ、そこで『結果』という成果を相手に解らせ、対価として自分の収入を上げていく事は難しい。

『誰にも会わなくても仕事はできる』。ただ、『誰にも関わらずに生きていく事は難しい』。
当然なのだが、その為には『会わなくても』コミュニケーションはやっぱり重要なのである。

ディレクターの仕事をしていると、クライアント(依頼主)とワーカー(漫画家)の両方に関わるのだが、双方の内情が見えるし、非常に勉強になる。
そしてオレ自身もまた、自分自身を客観視して、見極めながら進まねばならないのである。

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