さて、長くなってしまったが、最後は日本の国防、『抑止力』についてである。
今日までまとめてきた様に、『自衛』というスタイルで潜水艦やらミサイルやら核兵器やらに触れてきたが、法律上自らが戦う事はできない日本ではあるものの、要は他の国に「コイツ(日本)アブねーゾ…?」と思ってもらう事が抑止力に繋がる訳だ。

実は日本という国は、ヨーロッパでは『得体の知れない国』として、結構怖がられていると聞いた事がある。
大国アメリカに唯一戦争を挑んだ国だし、原爆まで落とされて焼け野原にされたのに、わずか数十年で信じられない進化を果たしてアジアでナンバーワンまで上り詰め、先進国の仲間入りを果たした。
ちょっと前までは技術大国なんて言われていた日本だが、ゼロ戦なんてとんでもない飛距離を出す飛行機を作ったせいで、戦争に負けてからは飛行機は作らせない(作らせるとトンデモナイ飛行機を作りそうで危ない)制限をされたぐらいだし、その一方では世界で唯一『エンペラー(皇帝)』と呼ばれる天皇制という国の象徴を、ずっと守り続けている歴史の古い国でもある。
要は「(アイツは何をするか解らない国だから、あんまり追い詰めるな)」と真面目に思われてる訳で、そう思ってもらう事は抑止力になるのだ。

一方アメリカも同じで、日本は先進国なのにサリンの事件があったり、銃社会でもないのに首相が暗殺されたりと、平和なイメージの一方でとんでもない事件が起きている国というイメージがあるらしい。

同じく「(アイツは危ないって……)」と思われ、抑止力にも繋がっているのである。

そりゃ歴史を振り返れば、自らが腹を切って死んで責任を果たす切腹や、文明があるのに原始人の様な打ち首。かたや寺子屋なんて所得に関係なく子どもの頃から平等に教育を与える国なんて無いし、ちゃんと教育を受けているのに片道だけの燃料で敵に挑む特攻隊なんて戦術を真剣にやっていたのだから、海外にしてみると遥かに理解を超えた恐ろしい国でもあるのだ。『イカれた連中』と思われてる事は不本意だが、『抑止力』として働いてるならあながち馬鹿にできないのである。

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あくまで『今の所』ではあるものの、抑止力が効いている事は間違いなさそうだし、自衛という制限の中で上手く立ち回っているのではないかと思う。

ただ、他国が更に脅威という立場を取るために、莫大な予算を軍事に割り振っている事も事実で、今のポジションを下げずに対抗する為には日本も備えなければならない。

軍事予算を引き上げる為の増税は止むを得ない所でもあるし、理解するしかないのだが、増税に賛成しているのではなく、「まだまだ節約できる予算があるやろがい!」と思うのである(←最後にちょっとディスってる所がオチです:笑)。

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