【情報】を扱う上で重要な事は、【相手】である第三者が必ずいるし、相手の【感情】を如何にして【どう動かすか?】だと考えている。
『喜怒哀楽』には、ちゃんとメカニズムがあって、例えば【笑い】ならば、スターウォーズのダースベイダーの様なマスクをかぶった大男が「さっきはマジでビビッたよ…」なんて言えば面白い。それは『表情が読めない』・『あり得ない事を言う』から面白い訳で、ずっと黙ったまま「・・・・・・。」のセリフだけ与えて、他のキャラクターに「…ゼッタイ怒ってるよね?」なんて言わせるのも良い。

感情のメカニズムを理解して追求する事が重要で、これはAIでは完全に再現させる事はできないと思っている。

漫画は別にしても、文字だけのシナリオは誤魔化しが効かないので、シナリオも書くオレとしては痛感しているのだが、『フリ』があってこその『オチ』だし、『フリ』の段階で盛ったり引っ張ったりすれば、それだけ最後の『オチ』が大きくなる。そのサジ加減が【感性】から来ているし、特に日本人は感性が豊かで優れている人種に感じる。サッカーの海外の試合で、負けてもロッカールームを清掃した話は有名だが、あの場面に現地語で『ありがとう』というメモを1枚置いて行った事が、何よりも海外の人の心を動かした重要なキーだと思っているし、ラグビーに来た外国人選手を歓迎した各地の日本人が賞賛を浴びたのも、ただ歓迎したからではない、その国の『国歌』を歌って応援したから、世界じゅうから注目を浴びたのだ。

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海外の人が自分の子供にアニメを見せるのなら、ディ◯ニーではなくジブリを見せると聞いたが、理由はディ◯ニーは『主人公がお姫様』で特別に扱われる内容が多く、ジブリは主人公が人間模様に苦悩しながら成長していく作品が多い為、子供にとっての影響が全然違うのだという。要は自分だけはお姫様で特別だと考えるか、周りのキャラクターを助け・助けられて成長していくかの違いで、これも非常に解りやすい。

日本の漫画が世界で人気がある理由は、単純な画力だけではなく、人の心を動かす感性が優れているとオレは考えているし、そこまでAIで完璧に表現する事は不可能だと思う。
感性を磨く事でAIをツールとして活かし、誰でも描ける環境から埋もれない様に成長すれば良いのだ。

そこには【構成】という、絵やシナリオと匹敵するぐらい重要な役割が加わるのだが、これは構図の取り方でどうやって見せるか?のアングルや、臨場感や躍動感を意識した展開、抑揚を持たせたストーリーになるし、構成は表現者の【センス】が重要になってくる。

絵と文字と構成という3つの要素があってこその漫画なので、そこを見ていればAIはピンチではなく、チャンスだとオレは考えているし、漫画に限らず業界によって、刮目すべき大事な部分がそれぞれあるのではないだろうか。

その【本質】を見抜いて、【どう立ち回るか?】を考える事が重要なのだ。

長くに渡って業界の歴史と未来に触れてきたが、実はもう1つだけ、同等かそれ以上にメチャクチャ重要な事があるのだが、それだけはヒミツです☆(オレも勉強中なので)。

ご清聴ありがとうございました(笑)。

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