少し前にYouTubeや漫画の仕事の相談メールがきたので、最近の近況報告を兼ねてそんなビジネスの話でもしようと思う。

業界的に自称漫画家が溢れ、漫画の依頼もピンキリ。高い報酬の仕事もあれば、安い報酬の仕事もある。

オレは安い報酬の仕事は断わるのだが、そもそも漫画というのはクライアントによって『ハマる・ハマらない』も関係してくる(イラストや絵のタッチの事ね)。

要は上手だろうと下手だろうと、好き嫌いがあって、依頼主によってそれが変わってしまうので、気に入られて選ばれる確率なんて解らないし、宛にならない訳だ。

そして漫画家に支払うコストも高いので、依頼主たちは『もっと安い別の方法で…』を考えるし、それがビヨンドと呼ばれるバーチャルのキャラクターを動かす動画だったり、無料のフリー素材の画像をネットから引っ張ってきて流す動画だったりする。

漫画の仕事は1度引き受けてしまうと最低でも1週間から10日ぐらい動けなくなってしまうし、もっと動きやすい(描くページが少ない)漫画で、単価の良い仕事を待つというスタンスでいるのだが、そんな都合の良い仕事はなかなか無い(笑)。

それでも平気でいられる理由として、オレはシナリオを書く脚本家でもあるので、漫画のシナリオはもちろん、先ほど上げたビヨンドを扱うバーチャルな仕事のシナリオも書くし、フリー素材の動画だけを流すシナリオも書く。

何が違うか解らないかも知れないので補足をすると、漫画ならば表現可能な『表情(怒り・悲しみ・泣きなど)』は、ビヨンドの様なバーチャルでの表現は難しい(機械的な動きしかできない)。

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では、どうやって「面白い」と思わせるか? は『動き』で、動きを意識した内容のシナリオを書くし、それはキャラクター同士の『対話』を多めに意識して「会話のやりとり」を盛って構成する訳だ。

フリー素材の動画を流すだけならば、それこそ『表情』や『動き』も無いので、『感情』から『状況』『風景』まで、全てを文章で表現しなければ視聴者は解らないし、みんなそれぞれ特性があって違うのである。

オレはそれぞれを書き分けられ、実際の評価にも繋がる再生回数も稼いでいる(他の脚本家が書いたシナリオよりも評価が高い)から重宝されるし、運営者に取り込まれて、他の脚本家が書いたシナリオに赤字を入れて直したり、上達させる為のコツなんかをレクチャーしている。

もともと漫画の仕事と違って、シナリオは手離れが良いので、せいぜい1〜2日で終わるのだが、そんな仕事をしながら美味しい条件の漫画の仕事を待つスタンスな訳だ。

他の脚本家が書いたシナリオなんかを見ると、話の整合性すらない内容、読んでいて「(そんな訳がないじゃん)」と突っ込みたくなる内容や、リアリティもクソもない内容、誤字・脱字や句読点の付け方がおかしい物までさまざまで、「何だこのレベル…」と目を疑う様なシナリオが普通に送られてくる(汗)。

そりゃダメに決まってるじゃんだし、だからオレの様な仕事が重宝される訳だが、「シナリオ書けます」「漫画描けます」なんて言ってきて、イザ見てみると、酷い物もザラなのだ。

漫画は百歩譲って、運営者の好き・嫌いが影響するが、シナリオは誤魔化しが効きづらい仕事で、嘘も方便の言ったモノ勝ちでは、通用しないのである。

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