オレたちが利用している昼から呑めるラーメン屋さんは食券制で、味が変わるアクセントになる『辛ニラ』や『もやし』、『白ゴマ』や『ニンニク』などは無料。但し、それぞれが持って来るシステム、いわゆるセルフサービスだ。

そういった所に行くとヨメさんは座ったきりで一切動かないし、食券を買うのもセルフで持ってくるのもオレの仕事。

ちなみによく行く高知の『ひろめ市場』も、場内は屋台方式なので、気に入った料理を自分たちで買いに行ってテーブルまで運んで食べるシステム。その時も同じでヨメさんは座ったきり、一切動こうとしない。

オレはヨメさんが普段弁当から食事から毎日作ってくれてる事を知っているので「(そんな時ぐらい)」と思っているし、不満もない。呑んで酔っ払ってようと、せっせと動いている。

外を歩いている時、基本オレは荷物を持たないし、タバコと携帯をポケットに入れてるぐらい。オレの予備のタバコを含めて、全ての荷物はヨメさんが持っている。

だが、重たい大きな荷物になると、逆に全ての荷物をオレが持って、ヨメさんには一切持たせない関係なので、ヨメさんの方も特に何も言わないし、揉めた事もない。

ヨメさんは他の人からよく美人だの可愛いだの言われる事が多いのだが、まぁ、本人が「中の上♡」と言うぐらいだから、きっとそうなのだろう(汗)。

それに対してオレは、「偉そう」や「ヨメさんが可哀想」と言われる事が多く、完全に憎まれ役である。

まぁ、ヨメさんの株が上がるのなら屁でもないと思っているのだが、そんなヨメさんをモノにしたオレが「スゴイ」と言われる事もない訳で、言ってくる人を「(単純だなぁ)」とも思う。

ヨメさんの友達は、結婚してからヨメさんの性格が別人の様に変わったと言うし、昔は自立した女性、独りだろうと全然平気なタイプだったらしい。

今ではどこへ行くにもオレにくっついて来るし、人前だろうとベタベタして手を繋ごうとするのでウザッたいぐらい。オレが他の女の人と話していてもヤキモチを妬くし、依存どころではない変貌ぶりである。

オレは色男でも金持ちでもないが、そんなヨメさんを骨抜きにするぐらい変える事ができて、それはきっと、なかなか真似できないぐらいのレベルで相手を考えて行動している事だ。

先に上げた食券やセルサービスなんて序の口で、野外のイベントに行けばまずトイレが綺麗かを注意するし、時にはそれを見越して食事や水分なんかも制限する様に呼びかける。女の人が最も困る・嫌う事、逆に安心する事を考えているからだ。

コロナ禍の影響ですっかり行けなくなってしまったが、大きなイベントでも仮設のトイレすら避けるし、仮説トイレ以外の場所を把握している。毎年夫婦でやっていたお花見も、近所の公園を選んでいる理由はトイレが綺麗な公園だからなのだ。

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バイクで連れて行く時には雨や寒さを最大限考慮するし、この前のバイブズミーティングだって、ヨメさんだけは着てない上着を2つ(ダウンとゴアテックス)を余分に積んでいたぐらいだ。

2人で乗るだけなのにインカムを使って話すという、本来の使い方とおかしい理由もヨメさんの為だし、運転しないくせに装備だけはバイク乗り以上の装備を、ヨメさんはマジで持っているのである。

ペアルックにしてお揃いで着ているオーバーオールやアロハ以外に、帽子や靴、ヘルメットもお揃い。オレ自身の『自分の事』ではなく、ヨメさんの為に『ヨメさんが喜ぶ事』を考えているし、オレのスマホはヨメさんの指紋認証も登録してあるぐらい、隠し事もない。もちろんスマホを見られる事なんて無いのだが、それぐらい堂々とした姿勢を見せているので、何かで疑われる事もない。

ウチは子供が居ないので、ヨメさん自身が本当に可哀想なら別れる事も難しくないだろう。それどころかキャーキャーはしゃいでいる理由がちゃんとあるのだ。

アホみたいに毎週同じ呑み屋に2駅も3駅も歩こうが「一緒に行きたい!」と言わせる理由があって、夫婦2人で呑んでるだけなのに二日酔いになったりするヨメさんが、「楽しかったから…」とオレを呆れさせる。しかし、その関係こそがオレたち夫婦の『本質』で、そこまで見抜けない人が意外と多い。

バイクで後ろに座っているだけなのに、道中雨に降られてビショ濡れになろうが、「一緒に行きたい!」「楽しい!」と言わせる理由がちゃんとあるのだ。

高知

オレがヨメさんの事を「お前」と呼ぶから偉そうと言われるし、ヨメさんは「可哀想」となり、でもヨメさんはニコニコ笑っているから「偉い」と言われるが、ヨメさんはオレが他の女の子を「お前」と呼ぶ方がヤキモチを妬いて怒るのである。

そのレベルの関係まで達している事がスゴイはずなのに、そこには気づかれない。

『本質』はそこじゃない、違うのである(笑)。

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