自分の子供を大学に行かせるべきかの相談に対し、著名人が「行かせるべき」と答えていて、高卒と大卒の生涯賃金の違いは、3000万〜5000万ぐらい変わってくるのだという。

驚くべきはそれに対するコメントがどれも肯定的なコメントばかりで、『日本はやっぱり学歴社会』『大学を出てなければ就職すらできない』といった意見が多かった事で、たしかに『現代』はそうかも知れないが、その先も『同じ』なのだろうか?と感じた。

過去にも何回か言ってきたが、大学に行く事を否定しないし、何か目的があって大学に行って勉強をする事に関しては大いに賛成である。

ただ、大学に入れればオッケーという変わらない風潮にとても違和感を感じるし、「(そんな訳ねぇだろ!)」ぐらい無責任な保証と、過度の期待だとも思う。

子供の頃、そろばん2級だったオレだが、その時は『そろばん』か『習字』、『公文』といった習い事に子供を通わせる事が一般的な時代だった。
現在、残っているのは何かといえば、どれも残ってない、ほぼ全滅で消えた。役に立たない時代だからで、今なら英会話などの語学系が主流といった所だろうか。
じゃあ、それが同じく数十年後に習い事の必要性(需要)として残っているかとなれば、残ってないと思うし、言語の壁などとっくにクリアできる時代になっているだろう。その時代にまで語学の問題が重要視されている様では、むしろマズイのだ。実際すでにスマホの翻訳機能が付いているから、海外旅行で知らない国の人とも会話ができるし、現状が最低レベルなのだから、これからますます進化して便利になる事は間違いない。

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オレは印刷会社で働いていたが、その頃の印刷会社は『不況知らず』と言われていた。
理由は他の職種が厳しくなれば『広告を出す(=仕事の依頼が来る)』からで、高給取りとは言えないまでも、安定した職業のジャンルだったのだ(オレ自身はそこまで考えて就職した訳ではないのだが:笑)。
だが、『紙』に置き換わるインターネットが出て来た事で、その地位は崩れる事になり、取引のあった系列会社や町印刷がバンバン潰れていった。オレは間接的に関わる業務もしていたからリアルに見て来たが、まぁ、酷いものである。

『本』で得ていた『情報』を『通信』で得る事で『紙』が要らなくなった訳だが、『通信』も無料が増えてきて、無料でゲームができたり、無料で本が読めたりする様になり、『情報』は『有料の本』から『無料の通信』に変わりつつある。
そりゃアマゾンプライムで昔の映画がタダで観れるのだから、飛ぶ鳥を落とす勢いだったTSUTAYAもバンバン潰れる訳なのだ。

オレが関わっている漫画や脚本の仕事も情報の一部になるので、オレ自身もうかうかしてられないし、無料のメカニズム(広告がつく→広告を見る人がいる→広告を見て購入する人がいる→メーカーが広告を出す)を良く理解して立ち回らなければならない。

オレの仕事は『文系』になるのだろうが、『理系』の仕事はもっと早く置き換わるだろうし、資格まで必要だった会計士の仕事が、勘定奉行などのソフトで要らなくなってきている事と同じ。過去の判例も結局はデータなので、弁護士も無くなると言われているし、実際に弁護士の給料なども減り続けているという。アナログのオレですらスマホの電子マネーを使う様になってきてるのだから、銀行が維持できるのも時間の問題だろう。

文系も理系もダメ。今の段階でそうなのだから、これから就職先がもっと減ってくる事は間違いない。これはコロナとは関係ない、時代の流れなのだ。

親が就職で苦労したから大学に行かせる、『ソコさえ抑えておけばオッケー』という発想が、平成どころか昭和のまま止まっている様に感じるのである。

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