オリンピックで日本のおもてなしが改めて見直されたり、日本の風景に感銘を受けている外国人が多いと聞いた

そんな中で面白かったのが『セミがうるさ過ぎる』という苦情(?)で、われわれには馴染みのある夏の風物詩も、海外から来た人にはやかましい騒音でしかないらしい(汗)

言われてみれば確かに、所詮は『虫』であり、オレだって蚊が耳元で飛んでいる音は不快だし、同じ虫でもどうしてこんなに違うのか? と思うと、不思議ではある

日本にいる以上、生まれた頃からセミは『夏に鳴く虫』だったし、今ぐらいの時期なら連日ワンワン鳴り響く、確かにある意味『騒音』でもある(笑)

それでも梅雨明け間近に今年一番のセミの鳴き声を聞いたりすると「(セミが鳴いた!)」と夏が近づいた事を実感して嬉しくなるぐらいなので、日本には無くてはならない虫なのだ

東京で暮らすオレは、滅多にヒグラシにお目にかかれないのだが、セミの中でもヒグラシは群を抜いて大好きで、あの夕暮れに聞こえてくる「カナカナカナカナ……」という独特な鳴き声は、どこか物寂しさも感じさせる、日本の風情だと思う

昔、みんなで夏にUTCへ行っていた頃、ひと通り海で遊んで夕方になる前に、夜のバーベキューの準備が毎日の定番だった。道路で寝る以上、街頭も無い真っ暗の場所なので、暗くなる前に食材から薪から水から全てを用意しなければならないのだが、夕暮れでやっと涼しい時間帯になってきた頃に鳴き出すヒグラシの声は、少し物悲しさもあって、何とも風情に溢れていた事を今も覚えている

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外国の人が言う様に、『虫』でしかないはずなのに、こんな気持ちになるのは確かに不思議だし、ヒグラシに限らず、夜に聞こえてくる鈴虫の鳴く声も、涼しく、穏やかな気持ちにさせるのだから不思議だと思う

この『良さ』を伝えようとしても難しいだろうし、「解る!」とピンと来る人もいて、ピンとくる人はきっと、他の人にとっては耳障りでしかない『日本の良さ』を知っている人なのだ

オレはヒグラシが大好きだし、ワーワーうるさいセミの声を聞きながら「暑ッちぃ〜ッ」と言ってるぐらいが『日本の夏』だと思う

たかが『虫』に、『風情』を感じられるなんて、素敵だと思わないか?

昆虫なのにね(笑)

ちなみにオレは、毎年道路にセミが落ちていると、必ず助けて緑か土がある場所に逃がしてやっている。セミにとって一生の最後がクルマや自転車に轢かれたりするのはやっぱり気の毒だし、助けられる人は、なるべく助けてあげてね

(お待たせしました。過去の『THE WILDMAN』をいくつか公開しています。気になる人はチェックしてみてね)

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