先日、ヨメさんと呑みながら散歩をしている最中、緊急事態宣言でお酒を提供するお店が少ない状況の中で、開いている居酒屋さんを見つけた

入ってみようとすると「すいません、14時からです」と言われ、時計を見てみると13時40分、まだ20分早い

店の前で20分待つのも抵抗があって、「それなら結構です」と断って、他の店に行った

お店のルールだから当たり前ではあるのだが、もしオレがお店の経営者だったらどうしただろうか? と考えた時に、オレだったら「(開店時間まで)呑みものしか出せませんが……」という条件で、店に入ってもらうと思う

決められた開店時間より早いが、臨機応変の柔軟性、ケースバイケースも大切で、1時間以上ならまだしも、20分という時間なら、オレはお客さんを逃して他の店に行かせるのではなく、止めて自分の店の良さを売り込みたい

もちろんマナーの悪い、箸にもかからん客も居るだろうが、客を相手にしている商売である以上、『次』に繋げていかなければ、お店の発展は難しい

ましてや今のご時世、不況は今後も引きずるだろうし、生き残りをかけて利益を出していかなければならない状況の中、「じゃあ、他のお店に行きます」と言われるダメージは大きい

仮にオレ達夫婦が無類の酒好きで(まぁ、半分当たりだが)、週5〜6ペースで呑み歩いているオメデタイ奴らだとしたら、その分の売り上げが『他の店』に流れるわけだ

逆に留める事で気に入ってもらい、次にも繋がって行くのであれば、その回数分だけプラスになるどころか、勝手にリピーターとなって、夫婦以外の友人なんかを連れて来る可能性すらある

要はサービス次第では勝手に宣伝してくれる訳だから、広告費と思えば安いものだし、できる範囲で良質のサービスを心がけるべきで、20分という枠で来店した客を返してしまう事が、結果リアルな損害にもなり兼ねない(仮にオレ達夫婦が一回呑みに行って¥5,000、週末2回行ったら¥10,000、週に2回を1ヶ月なら¥40,000、1年続けば¥480,000を逃し、それが他の店にプラスされる計算になる)

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何度も言うがルールなので不満に思ってる訳じゃない。だが「そこまで考えてる?」と思うし、潰れていくお店と生き残っていくお店がある中で、その『差』と『違い』は何なのだろうか? という事を考えている

客商売としてお客さんを取り込む事は、『時間』の奪い合いでもあって、お客さんの『時間』を、自分のお店で使ってもらえるか? にかかっている

このカラクリは結構重要で、例えば上野のアメ横がかつての古着屋から、海外のケバブ屋などの飲食店にどんどん浸食されていっている背景には、上野で暮らす外国人も多い事ながら、それをターゲットにしつつ高額な賃料をカバーできる体制をお店が確保しているからでもあって、彼らは24時間フルタイムでお店を開けるし、何時にお店を開けようが、月に支払う賃料は同じなのだ

10時から〜20時までの営業時間だろうと月に支払う賃料が同じなら、21時〜10時までを寝かしておかないで有効に使おうと考え、『時間』の制限を失くす事でお客さんの『時間』を店が取り込む事ができる

そこで人件費や光熱費をさっ引いてプラスに持っていく戦略や工夫が必要になる訳で、『20分』という目先の『時間』に囚われている場合ではないのだ

色んなお店を呑み歩くオレ達は、それこそ過去に『5分』早かっただけで断わられたお店もあるし、そのお店には断られてから一度も行っていない

その店とは別に、すごいサービスしてくれて美味しいラーメン屋さんが近所にあるのだが、そこはマスター1人で経営していて、お店の開店時間がメチャクチャ曖昧でルーズ、11時オープンのはずなのに、11時半に行っても開いてない時すらあり、マスターに注意しても「フェイスブックで告知してるので見てください」と見当違いな事を言われ、その店にも行かなくなった

店に行く客にしてみれば『時間の無駄』だし、そこで他の店に逃げていった『損金』はいくらぐらいになるのか、計算したり考えたりしないのだろうか……

『損して元取れ』は良く言ったもので、『20分』が何に化けるか解らないし、それは客商売に限らず、他の仕事にも繋がっていると、オレは思うのである

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