久しぶりに仕事が早く終わったジョニーは、彼女を乗せて通勤用のヤマハのセロー225ccに乗って自宅へ帰る途中、原チャリ2台の若者2人組に右折待ちを割り込まれた
後ろの彼女はご立腹だが、割り込んで来た原チャリは2台とも、夜なのにウインカーもテールランプも点いておらず、右折待ちなのに無灯状態。そんな2台が先頭だった信号が青に変わり、他のクルマもジョニーも含めた全台が、右折を済ませて渡りきる事ができた
右折した先は道幅の広い片側2車線の道路で、クルマの渋滞もなく流れている。先を目指したい所だが、先頭を遅い原チャリ2台が塞いでいる為に、なかなか車が流れず詰まっている
マフラーの音ばかり大きいくせに、速度は普通の原チャリ以下で、「(こりゃ付き合ってられんわ)」と、サッサと追い抜いてしまう事にした
が、その時ーー
『ガシャン!!』
なんと1台の原チャリが、確認もしないでいきなり小さい脇道に入ろうと進路変更をしてきて、巻き込まれてしまったのだ
ウインカーもテールランプも点かない原チャリの突然の行動に、ジョニーは避ける事もできず、彼女もろとも巻き込まれて、転倒してしまった
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「フザケんじゃねぇぞ、テメェ……」
これに遂に、ジョニーがキレた
「痛って〜」と呑気にうずくまっている若者の顔を蹴り上げ、そのまま馬乗りになってボコボコにすると、もう1人の若者が止めに入ってきたが、ソイツもブッ飛ばした
気がつくと片側2車線の広い道路は、ジョニーたちの事故&喧嘩で完全にストップし、車の大渋滞&大注目になっている
後ろに乗せていた彼女はスリ傷程度の怪我で済んだ様だが、ジョニーがそこまで怒る姿を見た事がなかったのか、顔面蒼白になって怯えている
「ねぇ、私、警察呼んじゃったよ……。ジョニー、怖くて止まらないし……」
「あぁ? いいよ、いいよ。コイツ等フザケやがって……警察に突き出してやる!」
ジョニーが最初にブッ飛ばした若者は道の真ん中で気絶してしまい、もう1人の若者が担ぎ出した。ジョニーは倒れたバイクを起こして歩道まで押していると、パトカーと救急車のサイレンが聞こえた
だが、しかしーー
「事情は解ったけど、悪いのはキミの方だね」
「へ?」
駆けつけた警察官から言われた言葉は、あまりに意外な言葉だったのだ
(つづく)
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