昔から付き合いのあった、ラーメン屋のオヤジが亡くなった
年齢は70歳前ぐらいで、多分15年近く付き合ってたと思うし、昔はバイブズを買って店で読みながら呑んで、ラーメンを食べて帰るのが定番だった
夜19時から店を開ける珍しいスタイルで、客層のターゲットは呑み屋で働いている店員さんやホステスたちだった
オレはいつも19時頃の開店直後に行くのだが、オヤジの携帯に連絡して「今から行っても大丈夫?」と聞き、「まだ他の店で呑んでるから30分ぐらい後にして」なんて断わられる事も珍しくなかった
別に特別美味いラーメンではなかったが、備え付けのニンニクや特製ラー油なんかで好みにブレンドすると、結構美味しいラーメンに変化するので気に入っていた
前から「腰が痛い」と言い続けているので、8月にはワークマンを探して腰痛ベルトを買ってプレゼントしてやった
その時は店が混んでいたので、密を避けるために「また今度ラーメンを食べに来るから」と言って、腰痛ベルトだけを渡して帰ってきた
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その後一度だけ自転車ですれ違った時があって、「(ベルトの)効果はあった?」と聞こうと思ったのだが、オヤジはオレに気がつかずに自転車で通り過ぎていってしまい、それが最後だった
ヨメさんと呑みに行く途中で何となく店の前を通ると、見慣れない車が入り口に停まり、知らない男が店の中を片づけていて、不審に思ってオレだけ店に入って行った
中にいたのはオヤジの息子さんと奥さん、子供で、そこで初めて亡くなった事を聞かされた
死因は脳出血で、自分の店で倒れていたのを、店に来たお客さんが見つけたらしい
ウチのガレージで一緒に呑んだり、オレの馴染みの店で待ち合わせて一緒に呑んだりしたし、昔のレコードを流すアメリカのジュークボックスを修理できる貴重な職人でもあって、「今修理しているジュークボックスが直ったら、お前にやるからガレージに置いてくれ」と言っていた
いつも自分で呑みながらラーメンを作っていたし、店を開ける前にも他の店で呑む事が当たり前だった人だから、好き勝手やって最後にポックリ逝ったのなら、苦しまなかっただけでも良かったのかも知れない
そう思えば、少しだけマシな気持ちになった
色々ありがとう、また呑もう
ご冥福をお祈りします
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