とある年のUTCで出発当日の集合場所までに来る途中、ロナウドが事故に遭った

幸い大したケガではなかったが、とりあえずUTCは中止し、夜にみんなで呑みに行ったものの、そこで見たロナウドはこの日までの仕事の忙しさで激ヤセして変わり果てた姿だった

みんなで呑みながら「今年のUTCは断念するしかないのか?」と議論しているうちに、どうせせっかく合わせた夏休みならクルマで行くか?という案が浮上した

ゲイリーの後輩が持っているクルマを自由に借りられるらしく、数日使っても問題ないという。仕切り直して明日出発すれば、行ける日数自体は減ってしまったとしても、行かないよりはマシなのでは?というわけだ

初日を逃してしまっただけに、残りの日数だけでは厳しいと断念した者も多く、オレとロナウドとゲイリーの3人でクルマで出発する事が決定。そうと決まれば呑んでる場合じゃないと早めに切り上げると、まるで小学生のように「明日また遊ぼう」と解散した(笑)

翌日、ゲイリーが借りてきた後輩のクルマというのがまたクセモノで、窓は全てフルスモークのセドリック(汗)。確か20万キロ近く走ってるだかで、マフラーは爆音でうるさいものの、スピードが全然出ない(汗)。しかも音楽を聴くCDチェンジャーがトランクの中にあるらしく、CD1枚変えるのにいちいちクルマを停めてトランクを開けなければならない(汗)。まぁ、タダで数日貸してくれただけでもありがたいが「(そりゃ貸してくれるか)」と思うようなクルマだった

前日事故ったロナウドもバイクに乗るのには身体のあちこち痛むがクルマなら大丈夫とあって、気分的にはすっかり元気になって助手席でひたすらお菓子を食べている(汗)

道具はひととおり海の家に預けてあるのだから、着いてしまえば何とかなるだろう。天気は昨日までの雨が嘘のようにすっかり夏の陽射しに戻っていた

やたらうるさいマフラーのヤン車で振動も激しいが、こういうオンボロ車に乗って野郎だけで遊びに行くというのも悪くない。そんな雰囲気も出始めていたのだが、このクルマの真の恐ろしさを高速を抜けて山道が多い峠に入った途端に思い知らされる事になる

スポンサーリンク

とにかく、坂道を上らないのだ(汗)

大した荷物を積んでるわけでもないのに10〜20キロぐらいしか出ない(汗)。マフラーの音だけは爆音なのだが信じられないほど遅く、挙げ句の果てには後ろを走っているセルシオに煽られはじめた(汗)

セルシオにしてみればフルスモークのセドリックで思い切り『ヤル気仕様』のクセに、道を塞いでトロトロ走られているのだからムカつきもするのだろう。マフラーばっかりうるさいし「(いいからオメー早く行けよ!)」なのだろうが、オレたちの乗ったクルマは全然進まない(汗)。運転しているゲイリーは「もうベタ踏みなんだって!」と逆ギレするがやっぱり10〜20キロぐらいしか出ない(汗)

煽られはじめた時こそ「(はぁ?)」とイラだちムードが起きたが、そもそも迷惑なのはオレたちなのだ。ロナウドは「そんなに出ねぇんだよバカ!」と逆ギレしてセルシオに怒鳴りつけ、命からがらいつもの場所に辿り着いた(汗)

「(散々な目に遭った……)」となったものの、無事この年も夏のUTCを満喫したのだが、本当のオチはロナウドの体型で、初日に会った時の別人のような痩せ細った姿とは考えられないぐらい、数日後の帰る日には元の体型に戻っていたのだ(汗)

クルマで向かう最中、車内ではずっとお菓子を食べていたロナウドは、到着してからもバーベキューやら何やら好きな物を食べたい分だけ食べ、それによって嘘のように元通りの姿に戻るのである(汗)

オレが「人ってこんなに痩せるのか?」と驚いた数日後に「人ってこんなに簡単に戻るの?!」とまた驚いたし、この年のUTCはそんなロナウドに振り回された『栄養の旅』になったのである(笑)

すっかり忘れてマンガに描かなかったが、「(描けばよかった…)」と少し後悔している、充分ネタを満たしている事件なのでした

スポンサーリンク