オレの誕生日に行った馴染みの回らないお寿司屋さんで、大将と娘さんであるオバちゃんから感染対策の相談を受けた

こういう時期だからとにかく清掃には気を使って毎日念入りに掃除をしているらしいのだが、東京都が発行する『このお店は安全ですよステッカー』がもらえないのだという

要は白マド部分にお店の名前を書いて店の外に貼っておく事でお客さんが安心して入り易いイメージアップをアピールする事が目的らしいのだが、他のお店でも貼っているお店は少なくて、殆ど見かけなかった

少しでもお客さんが増えればという思いで何とかこのステッカーを手に入れたいらしいのだが、何回問い合わせても電話が混雑していて繋がらないらしい

ネットを使えば電話しなくても手に入るというこのステッカーだが、大将も娘さんのオバちゃんもガラケーでスマホは持ってないらしく、自宅にパソコンも無いという

「そんなに困っているならウチらで何とかしてやるよ」という事になり、帰ってからヨメさんがパソコンで調べて、必要な手続きなどをまとめて翌日お寿司屋さんに連絡する事になった

案の定ネットでは混雑する事もなくスムーズに手続きはできるのだが、ステッカーを手に入れる為には店名や経営者や電話番号なんかを登録する必要があり、いくつかの項目をチェックして同意しなければならない

その同意する項目だけでも20項目近くあり、それとは別の、お店としてクリアしなければならないルールも更に20項目近くあって、それはオレたちの勝手な判断で進める事はさすがにマズイ(汗)

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項目の内容としては清掃面から密を避ける為に間隔を空けて座席を設ける、長居をさせない為にTVを置かないなんてルールまであって、全部をOKしなければならない訳ではなさそうだが、かなりハードルが高そうだ

ガラッパチなオレの生き方的には「(別にこんなの適当にチャチャッとチェックを入れて出しちゃえばいいんじゃね?)」なのだが、周りのお店も貼ってない理由はこの厳しいルールが原因の可能性もあるわけで、鬼スルーでチェックして大々的に貼り出した所で嫌がらせや逆恨みを受けても困る(汗)

お寿司屋さんに事情を説明して「どうします?」と聞いた所、お寿司屋さんもそこまで厳しいとは思ってなかったらしく、もう少し他のお店との様子を見て考えるという事で今回は見送る結論になった

後日いつも呑みに行く馴染みの居酒屋さんには貼ってあった事に気がついたが、マスターに聞いてみると保健所が『本当にルールを守っているか?』の抜き打ちで見に来る情報も出ているらしく、貼ったら貼ったでまたうるさく厳しいらしい

オレは今回たまたま関わってみて、パソコンも持たないガラケーで生活している高齢者が経営するお店がいかに国の求める手続きに苦労しているかを改めて知ったし、そりゃ補助金の申請なんかも進まないのだろうなと思った

後日お寿司屋さんは商店街としてまとめてステッカーを手に入れたらしく、他のお店も一斉に貼り出したので商工会が動いて同時に申請したのだろうし、足並みも揃えられて一件落着だったのだけれど、こんな状況でも形式ばかりの国の対応の悪さが責められるのは無理もないと感じた

ただ、このご時世にガラケーでパソコンも無ければ取り残されるのも当然といえば当然なわけで、『自分の身は自分で守ること』を真剣に考えるなら、苦手な事にも挑戦していかなければならないし、それがお店だったり生活に直結するのであれば尚更でもある

挑戦しなければ取り残されて置いて行かれ、差が広がるばかりなのは何も高齢者だけではなく、色んな人にも当てはまるわけで、なかなか深い現実を考えさせられるのであった

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