最新のバイブズが発売される前に、現在発売中の『THE WILDMAN』のウラ話をしておこう

実は先々月の『THE WILDMAN』を納品した際に、編集長のウメさんからお褒めの言葉を頂き、オレのアタマの中で描こうと思っていた内容だけでは薄いかな?というプレッシャーになって、詰め込む為にかなりの量をカットしていた(笑)

ある年のUTCで「今年は釣りをやろう!」と盛り上がり、キャンプ道具以外にも釣り道具を積んで行ったわけだが、普段釣りをやらないオレたちにとって、海釣りというのはそんなに甘いモノではなかった

漫画でも描いた通り、ロナウドたちが980円の『こども釣りセット』で、一番まともだったオレでも2,980円程度の、『バイクに積める』=『小さく畳める』を重視した釣り道具だったのだ

海の家のオッちゃんに教えてもらったポイントである堤防に行くと、地元の人らしき釣り人たちで溢れているのだが、そんなチョロイ道具で釣りをしているヤツなんて1人も居ないわけで、いい歳したオレたちが、とんでもなく情けない道具で混ざって釣っている……しかも釣り竿も短いから遠くまで投げる事ができず、堤防の足もとにあるテトラポッドがせいぜいで、同じ魚ばっかりがひたすら釣れ続けたのである(汗)

それこそ地元の小学校5〜6年生の男の子すら、物干し竿のような大きい立派な釣り竿を持って来ていて、40〜50cmはありそうな馬鹿デカイ魚を釣り上げる

「(スゲェな……)」なんて見ているバカなオレたちを尻目に、釣ったのに海に逃がしてやったりもしていて、理由を訪ねてみると釣った魚がボラという、大して美味しくない魚だから逃がしたと言う

オレたちとしては「今度釣れたら逃がす前にちょうだい♡」なんて言葉がノドまで出かかったぐらいだが、それぐらい肩身の狭い思いをしていた(汗)

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足もとのテトラポッドしか竿が届かず、ベラという魚のみが入れ食い状態でひたすら釣れるのだが、地元の釣り人にベラが食べれる魚なのかを聞いてみると「味噌汁のダシぐらいにしか使わないよ」と言われ、「こっちじゃそんなマズイ魚は食わない」と容赦のないダメ出しを受ける(汗)

アホみたいにボンボンとベラばっかり釣れ続ける状況に飽き飽きしてきて、「(もう充分じゃね?)」という雰囲気の中で、唯一別の魚であるカワハギが釣れたので皆で喜んだのだが、クチの小さいカワハギは針を呑み込んでしまっていて、『針外し』というクチにねじ込んで釣り針を外す道具がないと外せない

道具を持ってないオレたちがあぁだこうだとやっている間にカワハギが死んでしまったら可哀想だろうという事になって、針を呑み込んだカワハギを持って地元の釣り人のオヤジに助けを求めるのだが、慣れたオヤジは「こりゃダメだな」と言うと、容赦なく針外しをクチに突っ込んでカワハギを殺してしまう

その手慣れた殺人術(?)にみんなドン引きで、「(助けたいからお願いしたのに……)」と固まっていたが、食べる価値もないサイズだった為に当たり前の様に海に捨てられ、プカプカと浮かぶカワハギの死体を見てなす術もなかった(汗)

「今年は海で釣りをやろう!」と道具を用意し、海パンにタンクトップ姿でハーレーに乗って教えられたポイントまで行った時まではテンションが高かったものの、食べる価値もないと言われるベラばかりが大量に釣れ、地元の小学生以下の道具で肩身の狭い思いをしたオレたちは、カワハギの壮絶な最後を見て行きとは嘘のようなダダ下がりのテンションで引き返すのである(汗)

海の家のオッちゃんが気を使って何とか食べれる状態に料理してくれたのが唐揚げで、ただ、生きている原色バリバリの姿を見ていたオレたちは到底食べる気にはなれず、釣りに行かなかった仲間たちだけが大喜びで食べていた……

実はこの『釣り』というイベントに対してもっと描きたかったのだが、2ページでは収まらずに泣く泣くカットしたのである

そして言うまでもなく、釣りは二度とやらないのであった(笑)

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