オレが呼び込んだ居酒屋をすっかり気に入ったヨシダくんは、完全に上機嫌で相当舞い上がっていた(汗)

ハイボールをガンガンに呑んでいるのだがピッチが早く、すっかり酔っ払って声も大きい(汗)

27歳だというヨシダくんはいわゆる『イジられキャラ』風な子で、オレとマスターは『ガラッパチ系』になるのだが、舞い上がって饒舌なヨシダくんをマスターがイジるやり取りの流れが続いていた

ヨシダくんが「いや〜…でも、ホントに良いお店を教えてもらいました♡ メチャクチャ嬉しいッス!」と言えば、マスターが「そう? じゃあ2万円ね」と言い、ヨシダくんが「マジっすか?」と返す(汗)

オレが「料理も美味しいからお酒が呑めない彼女も連れてくれば?」と言うと「そうッスね。今度は絶対連れて来ます!」とヨシダくんが答え、それを聞いたマスターが「2人なら9万円ね」と言い、またヨシダくんが「マジっすか?」と返す(汗)

あまりのマスターの度を超えたイジリっぷりに、ヨシダくんが席を外したタイミングで「(マスターはヨシダくん知ってたの?)」と聞いてみると「いえ、初めてッス」と言うので、「初めてでその距離の詰め方は早過ぎだろ!」とツッ込むと「あぁいうタイプは大丈夫ッスよ(笑)」なんて平然としているので、どっちがお店の為に頑張っているのか解りゃしない(汗)

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ヨシダくんよりも早い時間から呑んでいたオレたちはそろそろ帰ろうかという時間になったのだが、ヨシダくんを独り残して帰る事が気がかりで、マスターと副店長にその話しを相談すると「全然大丈夫です、任して下さい」と請け負ってくれた

ヨシダくんに先に帰る事を伝えると何度もお礼を言われ、「今度はいつ会えますか?」と言うので、週末土曜・日曜のこの時間なら大抵居るからまた呑もうと伝えると、「絶対また来ます!」と言われて店を出た

次の週末、あのペースで呑み続けていたヨシダくんがその後どうなったのかが気になったし、ヨシダくんの話しどおりならオレたちを目当てにまた店に来る可能性が高いという事で再び居酒屋に顔を出した

マスターに「先週ヨシダくん大丈夫だった?」と聞くと「まぁまぁ面倒くさかったけど、大丈夫ッスよ」と言うので「(面倒くさかったんだ…)」と思ったが、お店のためにヨシダくんを呼び込んだ事をマスターも知っていたので喜んでいた

「また来るって言ってたけど来るのかなぁ…」とマスターに言うと、「多分来ると思いますよ」と言っていたが、結局ヨシダくんは現れなかった(汗)

マスターが「いや、あの流れなら普通絶対来るでしょ!」と怒るので「たぶんマスターがイジり過ぎたんだよ(笑)」と慰め、『居酒屋』→『向かいのラーメン屋』→『ヨシダくん』という客の流れから始まった謎のドラマは終わりを迎えるのである

それから今日まで、ヨシダくんを見た者は誰もいないのだった(笑)

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