・ケース2 『居酒屋さん』

ラーメン屋さんと同じで善玉はマスター、悪玉は副店長というポジションなのだが、ここはお店も小さいのでバイトは不在の完全に2人で1チームである

ここのお店の悪玉は結構タチが悪い部類で、基本リアクションが無い(汗)

こっちが注文してもノーリアクションで返事もされないなんて事も珍しくないので、温和なオレでも「オメー聞いてんのか?」と何度も立ち上がりかけたぐらい、打ち解けるまでに時間がかかった(汗)

ぶっちゃけ「(なんで接客業を……)」と理解に苦しむ振る舞いなのだが、更に厄介なのがこの悪玉が調理担当で、『安くて美味い』の『美味い』を担っているポジションであり、接客態度は最悪の部類に入るものの、料理の腕とセンスは超・一流なのである(汗)

善玉のマスターとオレたちは世間話もすればお店のロゴが入ったジョッキをプレゼントされたり、ステッカーをもらったりしたぐらいの仲なのだが、悪玉とは打ち解けたというよりもオレの方が「(こういうジャンルの人間もいるんだな…)」と譲歩できるようになったというか、『慣れた』という表現が正しいぐらい、注文以外に大した会話もしなかった

スポンサーリンク

この居酒屋さんは移転する事になって、移転先は今よりも高級住宅街でガラリと客層が変わる事にオレとヨメさんも驚いたのだが、こ汚いオッさん達を相手に安い金額で料理を提供するよりは、ワンランク上を目指す事にもなるのだろうと感心したし、とてもじゃないが移転先まで呑みに行けるほど近い場所でもなかった

それから数ヶ月後に別の居酒屋でヨメさんと呑んでいる最中、後ろのテーブル男女5人組の中に悪玉が一緒に呑んでいるのを発見し、ヨメさんと驚きながらも観察した

どうやら合コンみたいで、久しぶりに会った悪玉は口数が多いとまでは言えないが、オレたちが見た事がないくらい会話をしていて饒舌だった(笑)

「なんでコッチで呑んでるのかね?」というヨメさんに「コッチで仲が良かった知り合いに誘われて合コンに来たってところか?」なんて話しをしていたのだが、それから更に数ヶ月後、バイクで近辺を走っている時に小さい居酒屋のシャッターを開けている悪玉を見かけた

店の外に出てノレンを出している悪玉を見て「(えっ…)」と驚いたのだが、オレは半キャップにサングラスなので向こうは気がつかなかったと思う

家でヨメさんに報告したあと、2人で「クビになったんだ…」と思うのであった(汗)

スポンサーリンク