漫画の仕事でYouTube漫画を描いていて、依頼主が「原稿を渡すのでこれを漫画にして欲しい」という仕事が一般的なのだが、オレは『原稿がなくても「こういう漫画を描いて欲しい」と言ってくれれば描きますよ』というのを引き受けている

依頼主にしてみれば原稿が不要になるのと、脚本家さんにお願いする必要がなくなる事がメリットで、オレにしてみれば脚本家さんに渡す原稿料を込みでもらえる事、1コマ単価なので自分の収入に都合よくコマ数を増やせる事なんかのメリットがある(笑)

新しい依頼主から「シナリオ込みで作ってもらったら高額ですか?」という問い合わせに「最初だけお試しということで+1000円でどうでしょう? それなら脚本家さんに頼むより絶対安いはずですよ」なんて話になり、「ホントですか? 是非お願いします!」になって、「どういう舞台の漫画をお考えですか?」と打ち合わせをすると、『冴えない男子高校生が主人公の学園モノ』という要望があった

「なるほど、了解です」となり、シリーズもので学園を舞台にした漫画を描く事が決まり、「何話ぐらいまで考えていますか?」と聞くと「『5話完結』ぐらいが希望」だという

こちらで設定から何から全部考えて描くシリーズものとして『終わり方』は非常に重要で、最初の主人公や舞台の設定を決めると同時に最後の終わり方まで決めた上で、その間にどんな話を盛り込んでいくかになるのだが、5話で爪あとを残すのはなかなか困難で、主人公がやっと認知され始めた頃に終わってしまう事になるし、オレとしてもあまり美味しい仕事じゃない

描く以上、反響が良ければ続編だってこじつけられるわけで、そうなると短い回より少しでも長い回の方が当然有利なわけだ

とりあえず要求された学園モノの原稿だけを4話分ぐらいまで書き上げて、オレのイメージしている構想を伝えた上で5話とは言わずに10話分ぐらいまで見てもらえないか?を交渉すると「面白いので10話でいきましょう!」とオッケーが出た

「(やったぜベイビー)」(←古いか:汗)というわけでスタートしたのだが、ここでぶつかったハードルが主人公の相手のヒロインで、主人公もヒロインも高校生である

思えばオレは、20代以上の美女系ばかりを描いてきて、美女ではない可愛いというジャンルの女子高生というのはあまり描いた事がない(汗)

「(これは困ったぞ……)」になるわけだが、避けては通れぬ道で、これを機会にちゃんと勉強して攻略する事にした

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そういう視点で見て見ると面白いのだが、幼ければ幼い設定のキャラクターほど『鼻筋』が短いか小さいわけで、ソレ以外にも『アゴ』も小さく、歳が増すほど輪郭は面長寄りになってくる

(*ちなみにサンプルで上げた過去の美女系のカットどれもが左方向を向いているのはセリフである文章が右→左に流れる為で、見る人が『目で追う』方向に合わせる為に左向きが多い。コレはバイブズで描く『ザ・ワイルドマン』で登場するバイクなんかも同じにしているのだがが、その方が読み易い)

ただ、ヨメさんに言わせるとオレの描く美女は『オトコ受け』する絵で、女性が見て好きなタッチか?と言われればそうではないらしい

なるほど確かにで、少女漫画に登場するような瞳がキラッキラでマツゲがドーンというようなタッチとオレの描く絵はほど遠い

「(じゃあ男女に好かれるタッチの絵は何か?)」をヨメさんと話したのだが、2人ともまっさきに浮かんだのがジブリだった

描く側に立ってみて感心するのはジブリに登場するヒロインは化粧なんかもしてないわけで、美人度や可愛い度をアゲる為に描き加えずとも万人受けするキャラクターを作るセンスは流石の一言なのである

あらためて「(スゲェな……)」と思いつつ、イイ歳したオッさんが『上手に女子高生を描く』為に勉強している

いたって真剣なのだが、文字だけで書くと、まるで変態オヤジである(汗)

「(こんな事になるなら、学生時代にヤンキーばっかり描いてないで挑戦しておくべきだった……)」なんて後悔をするのであった

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