YouTubeに関する漫画の仕事で重要なのは、あくまで再生回数で漫画の内容はあまり関係ない

だから、アイコンというかトップに表示される『サムネイル』と呼ばれる扉も結構重要で、極端な話、エロっぽい絵を置けば男性読者が、可哀想なイヌ・ネコを置けば女性読者が釣られ易いデータもある

しかし、内容がどうでも良いわけでもなくて、『面白い』→『見返す』→『再生回数が伸びる』にもつながるので、重要なのは『見た目で目を惹くトップのサムネイル』と『検索エンジンに引っかかりやすいワードを使ったタイトル(時事ネタ)』、『繰り返し見てもらう漫画としての精度』になるわけだ

オレは今の段階で、5〜6人の運営者から依頼を受け、合計で30作品ぐらいを描いてきたのだが、うち1人の運営者はサイトを開設した当初から関わってきていて、他のサイトの仕事を受けながら「もっとこうした方が伸びるのでは?」といった提案をしてきた

漫画を描くにあたり1コマ=◯◯◯◯円になるわけだが、運営者が1コマ分プラスして払う事にはなってしまうが、サムネイル用として目を惹くカットを別に描いてみてはどうか?を提案し(他のサイトは漫画の中の一部から抜粋してサムネイルに使っている)、金額を上げてもらえばガッツリ目を惹く美女系を描くと提案し、渡された脚本をいちいち手直しするのに構成料として別に請求したりといったやりとりをしてきて、今は「いっそ脚本も込みでオレに全部描かせてもらえないだろうか?」までコジつけ、本来払う脚本家の脚本料も含めてオレがもらい、まったくのゼロから描いている作品もある(笑)

これも信頼関係ならではなので結構スゴイ話ではあるのだが、相手に金額を請求する以上、期待を裏切る内容は描けないわけで、そんな中で運営者を納得させたオレのプレゼンは1つのアイデアだった

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YouTubeの漫画はどれも一般的に1本単位の『読み切り』で、毎回そのテーマによって登場人物や設定が変わる。大体どれも「オレはタカシ。28歳。今は失業中だ」なんて軽い自己紹介から入っていくのが定番なのだが、それを登場人物固定で主人公を決めた『シリーズ物』にしたのだ

まず主人公を決めて毎回固定させる事で読者は覚え易く、入り易くなる事、そしてシリーズを追うごとに物語の完成度は増す事、シリーズ物なので読み返し・戻って読む頻度が増える=再生回数が増す事をプレゼンし、『どういうハナシを描きたいか?を教えてくれれば、オレが主人公から登場人物、時代背景の設定など全て引き受けます』と請け負い、現在8話まで描いているのだが、評判は上々である

運営者も他のサイトと差別化できる方法で悩んでいたとの事で、実際シリーズ化されている類いの漫画はまず無いので喜んでいたし、オレとしては10話ぐらいまでまとまったら、コレを元にして他のサイトに売り込みにいこうと思っている

シリーズ化させて脚本込みで描く実績として見せて、値段交渉のテーブルに優位に立とうというわけだが、この戦略が成功すればオレ自身が他の漫画家と線引きされる事にもなるし、かかる労力は同じでも単価は更に上げられる

ちなみにシリーズ化した漫画を提案した際の運営者の要望は、「闇社会を舞台にしたアンダーグラウンドな世界を漫画に描いて欲しい」で、「あぁ、そういうのオレ超・得意ッス」になった(笑)

コメントには「リアル過ぎてヤバイ」とか「更新が遅れると事件に巻き込まれたんじゃないかと心配です」、「怖い、怖い、怖い、怖い」なんて声が多く寄せられているのだが、オレの今までの人生が意外なカタチで役に立った事になる

そして運営者はいまだに、オレの正体を知らないのだった(笑)

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