さて、バイブズで『ザ・ワイルドマン』の連載を頂いて4年目に突入したわけだが、今バイブズ以外でYouTubeの漫画の仕事を受けていて、これが非常に単価が良い

単価が良いといってもそこは交渉次第で、今はその需要が多いのか募集が溢れているし、値段も安かったりするのをこちらから掲示し、「その金額じゃなければできません」と断わっていったりもする

そういう業界(?)の実状を話すと、世にいう『ユーチューバー』に乗っかろうとする人がたくさんいる事、そして、TVに出るような著名人でもないし、ボイスパーカッションといった特技で『売っていくモノ』はないけど、たくさんの漫画を揃えて多くの人に見てもらえば、それで広告収入が得られる、それを狙っているユーチューバーが多いというわけだ

だがユーチューバーの先駆者たちに言わせれば「YouTubeはもう終わりだ」なんて言うし、「アレは初期に始めた人が儲かるしくみになっている」と言うように、「自分も漫画のサイトを立ち上げよう!」なんて奮起した人が、オレもオレもで集まって漫画家を集めているし、『初心者歓迎』『脚本はこちらで用意するので絵だけ描いて下さい』なんて募集がたくさんある

『こんなタッチで描ける方を募集します』でほぼ100%引っかかるのは、先に説明した『先駆者』の漫画サイト一択で、そこには漫画の画力や内容に関係なく、狙っている目標が垣間見えてしまうので苦笑いしてしまうぐらいだ

YouTubeというのは『何回観られたか?』を表す『再生回数』がキモとなって、それによって広告収入が決まってくるようだが、サイトを『チャンネル登録』する事で運営者のサイトをすぐに観られるようになるし、『チャンネル登録者数』と1本あたりの『再生回数』が非常に重要な役割をしている

だから、オレもオレもで乗っかろうとしようが、先駆者なんかはベースのチャンネル登録者数がゼロ2つどころかゼロ3つくらい多いし、1本の漫画を上げればたちまち観られるわけで、その回数も1日でン十万回とハネ上がるし、そこにはぶっちゃけ漫画の画力や内容はあまり関係がない

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システムを整理すると、『とりわけ何か特技があるわけじゃないが、ユーチューバーになろう』と目指す運営社が自分のサイトを開設し『予算300万〜500万ぐらいで、何本の漫画を用意できるか?』になり、その時の時事ネタ(例えば覚醒剤で誰か捕まったとか、家出少女をかくまって逮捕された等)を題材に『◯◯◯文字以内で脚本家を募集(相場は大体漫画家の10/1ぐらい)』、上がってきた脚本に対して『誰か漫画化してくれる漫画家さんを募集』になって、描き上がった漫画に対して『声』を入れる声優さんを募集し(相場は大体漫画家の1/5ぐらい)、全てを『動画にする編集』さん(相場は大体漫画家の1/3ぐらい)にお願いするといった流れになる

漫画1本作るまでにそこそこの手間がかかっているのだが、その漫画の再生回数が伸びなければ収益としては成り立たないわけで、便乗しようと始めた人で溢れてダブついているというか、なかなか先駆者のようには伸びないのが実状である

だから、1本公開された漫画に書き込まれるコメントには「どこかで聞いた話だ」や「他のサイトでも観たぞ」なんて辛らつな内容を観る事も珍しくないし、みんなが同じ事を考えるからそうなってしまう、そしてやっぱりそうなると抱えているチャンネル登録者数が多い先駆者の方が優先的に観られるわけだし、圧倒的に有利になる

オレは運営する側ではなく描く側なので、依頼がきた題材を漫画にすればいいだけではあるのだが、そのシステムを見ながら「(なるほどね)」と勉強しているわけで、そういったシステムが今後自分にどう活かせるか?を考えつつ、仕事を受けている

ご存知の通りオレは脚本家なんかなくたって自分で描けるわけで、それがオレの強みであり、期を見て出て行く事を踏まえながら、見極めているのである

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