眠れる獅子（2）

『ミスターH（仮）』はキースの中学時代からの同級生で、長くリジッドショベルに乗り続けてきて、今はエヴォのFXRに乗っている

ハーレーに乗る良識人というか、それを通り越して『曲がった事が大嫌い』な度を越した姿はもはや『武士』で、ルパン三世に登場する五右衛門のような、自分から進んで発信こそせず寡黙なものの、とにかく頑固で自分で決めた事は決して曲げない・折れないヤツだ

そのクセ喧嘩っ早くもあり、トラックに煽られたりして運転手が降りてきて一触即発になったりすると、血の気が多いビッチよりも早く革ジャンを脱いで飛びかかっていくようなヤツだった

武士で真面目だからかどんなウソでも引っかかるような天然の面もあって、誰が聞いたって100％ウソだと解るような話をしても「マジで!?」と食いついてくる面白さがあった事から、昔はよくからかっていたものである（笑）

オレがバイブズで漫画を連載する事になってずっと応援してくれている、かれこれ25年以上の付き合いになるミスターHだが、昔みんなで走りに行っていた時、昼間の明るい時間帯の、道幅も充分にある直線道路の交差点で、突然バイクをフルブレーキしてロックさせてスッ転んだ

確か埼玉県の辺りだったと思うが、車の数も殆んどない場所で、いきなりバイクをフルロックしてスッ転んだミスターHを見てみんなビックリしたし、「どうした!?」と大慌てで駆け寄ったのだが

「信号が赤だと思った」と言う（汗）

「？　？　？」なのだが、交差点の補助信号、いわゆる、信号は赤でも下に矢印の別の信号がある信号で、補助信号が進んで良い矢印を示していたからみんな普通に走っていたのに、それを見落として赤信号だと思ったらしい（汗）

聞いた全員がポカーン状態で「（おいおい、マジかよ…）」だったのだが、ウチ等のメンバーで言うならハックがやりそうな、『もはやバイク乗りに向かない級のトラブル』だが、今も現役バリバリで乗っているハーレー乗りである

そういえばオレの結婚式にも来てきれて、酔っ払ってキースと喧嘩しそうになったのをオレが止めたっけ…

「（ヒトの結婚式で…）」である（汗）