最近気がついた一つの説で、旧車のハーレーの魅力とはそのハーレーに対する『金属部分の面積の量』だと思う

オレのショベルも一応旧車だがまだ比較的新しい年代で、ショベルの前にはパンヘッド、ナックルヘッド、サイドバルブと更に古い歴代の名車が、少ないながらも今でも現役で実際に走っている

↑オレの指輪や真鍮パーツを作ってくれているガルシアの坂本さんの48年式パンヘッド。今でこそ細身のチョッパーだが出会った当初は純正に近いスタイルで乗っていた。

↑出会った当初。圧倒的に鉄を中心に金属部分が多く、存在感がスゴイ。

詳しい人なら外観よりもまずエンジンを見て何のモデルか見抜くし、それこそロッカーカバーとは逆の、わかりずらいプライマリー側からでも判別はできる

詳しい人はそこで「ショベルだな」になるわけだが、一般人で全く知識がない、例えばガソリンスタンドの店員さんとかにも「コレは何のバイクですか!?」なんて聞かれる事も多くて、それは若い人も年配の人も年齢層関係なくバイクの事は詳しくないが、直感で「(スゲー!)」と思い、声をかけてくれる感じだ

オレにしてみればタンクに思いっきり『Harley-Davidson』って描いてるんだけどな…なんて思うのだが、本来オレのバイクはパウコのチョッパーフレームなので、こういうスタイルには向かないし、フレームに無理矢理加工してシートポストを通したりしてまとめ上げている

ヴィンテージとなる当時の純正パーツを活かして使っているのもガソリンタンクとスプリンガーフォークぐらいで、ほとんどが社外パーツになる、いわゆる『邪道』な寄せ集めゴチャ混ぜチョッパーなので、そういう事に詳しい人やメカニックには響かない評価をされる方が多いし、逆を言えばそれ以外の人は理屈ではない全体を見た直感で「スゴイ!」と声をかけてくれるわけだ

今までは「(車体が赤いから目立つのか)」程度に思っていたのだが、最近気がついた別の理由として旧車には現行車と圧倒的な違いとして『鉄』が含まれる『金属の量』が違う

スポンサーリンク

現行車ほど改良が進んで進化してきたわけで、おそらく今の新しいハーレーはタンク以外の外装パーツのほとんどがFRP(ガラス樹脂)だ

軽くて錆びないしコストも安く、量産性にも向いているからそうなったのだろうが、昔はFRPなんか無くほとんどが鉄だった

旧車がカッコイイと思われるのは年月を経た経年劣化で、金属でいうサビ・くすみ、塗装の剥がれや褪せていく表情はFRPでは限界がある

アメ車に例えた方が解りやすそうだが、あの昔の採算度外視で造られた鉄の外装、見ただけでもドッシリと重そうなドアなんかは、鉄という金属で構成されているからこそ、その車種が何なのかまでは解らなくても第一印象でとにかくカッコイイ

キャンピングカーのエクトリームみたいに、全身宇宙船のようにシルバーで造られた車体は、ハタから見ても金属感がムキ出しで、何製の何というモデルかまでは解らくても、とにかく直感で『カッコイイ』と感じてしまうのだ

オレのハーレーの前フェンダーはクラシックフェンダーとでも言うのかサイドバルブやナックル、パンヘッドと同じタイプのフェンダーで、オレは前側にボリュームを持たせたかったのでフロントをゴツく、リアはそこまで強調させないように全く違う種類のボブフェンダーをギリギリまでアップ目でセットした

全体的なバランスを重視した結果、金属部分が増えて色も赤で解りやすく強調された事がラッキーだったのかも知れない

例えば現行車のツアラーやバガーといったカウルを含めた外装パーツ全てを、FRPではなく鉄やアルミの叩き出しなんかで組んだら、きっと物凄い質感が出て『なんじゃこりゃ!?』と注目を浴びると思うし、そこには年式は関係ない、見た人に直感で入ってくる方程式のようなものがきっとあるのだ

おそらく重要なのは派手さよりも金属の質感で、そのツボを抑えてイジる事はハーレーをより引き立たせる事への近道なのかも知れない

スポンサーリンク