ナチュラルスチールワークスの田邊さんに「今月のバイブズの『THE WILDMAN』ウケました(笑)アレも実話なんですか?」とお褒めの言葉を頂いた

夏のUTC専用として全員が寝られるぐらいの大きくて涼しいテントを買ったつもりが、実際は屋根しかないタープだったという話だが、コレも実話である

今回のUTCは4話構成で考えていて、4話=4ヶ月分を取るとツーリングシーズンも終わってしまうからなのだが、この『行き』でのトラブルだけでも実は結構カットしていて、2ページ1回で収めるか、2ヶ月分にまたがって次回まで続けるかで迷った。今回はそんな泣く泣くカットしたウラ話を明かしたいと思う

真夏の道路で四泊五日寝て過ごすUTCはホントに過酷で、テントの中は蒸し風呂のサウナ状態、しかも後ろは山なので、早朝4時〜5時にはセミがワンワン鳴き出してとても寝てられる状態じゃなかった。そこで個人個人がテントを積んで行くのではなく、大きなテントをみんなで買おうという事になり、どうせ夏は毎年UTCに行くのなら、海の家に預かってもらって置いて帰り、その場所だけに特化した=蚊帳のような涼しいテントを買おうという事になった

海の家にウラにはプレハブの物置があり、そこにテントどころか鉄板、鍋、飯ごう、ポリタンク、ブルーシート、バーベキューコンロから余った薪まで置いて帰っていたから、相当図々しいというか、海の家の方たちと仲が良かったのだ(実際、妹のマリーが20歳になった時には家族で東京まで来て、オレたちでお祝いとして呑み会を開いたぐらい、家族ぐるみの付き合いだった:笑)

海老名の先でダニエルのバッテリーが空っぽになってコイルが死んだが、それは海老名から2〜3km先の地点で起きて、その先で「(後ろが来てない)」と気がついて路肩で止まって待っているマイクたち、その更に先で同じように「(後ろが来てない)」と気がついて止まったロナウドたち、そこから更に先の先頭を走るオレが「(後ろが来てない)」とそれぞれが路肩に止まっている状態で、東名高速の路肩に点々と分かれ、後ろで何が起こっているのか解らないで待っている状態だった

振り返った遥か後方にロナウドとジミーだけが見えて、手を振ると応えてくる。そんなような状況で、その位置から携帯を使って伝言ゲームのように連絡を取り合うと、最後尾のダニエルのバイクが故障して止まり、バッテリーを復活させる為にダニエルは路肩を歩いて海老名SAに戻り、水を買いに行ったと言う(汗)

バッテリーを復活させたがコイルが死んでいる為に動かず、ダニエルはバイクを押しながら路肩を歩き、第一グループと合流、ダニエル1人で押せる距離ではないので交代で路肩を押しながら第二グループと合流を繰り返し、先頭のオレたちに全員が合流するまでで相当な時間がかかっていた

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当時はバイクのロードサービスなんてなくて、=レッカーを意味するわけだが、この場所からレッカーを呼んで来るまで待って、時間にしても費用にしてもいくかかかるか解らず、バイク同士でけん引して出す作戦にしたのである

引っ張られるだけならマイクのパンヘッドの方が車重としては軽量で、しかもマイクのパンヘッドはジョッキーシフトなので、普通の手クラッチのダニエルのエヴォを復活させてダニエルにマイクをけん引させた方が安全だという事になった

最初の出口の大井松田まで無事運び出したものの、当時は今程ハーレー屋なんてなかったし、オレたちが休みを合わせる理由でUTCはお盆の時期が大半だったので、バイク屋自体も休みという状況で、ダニエルと何人かを大井松田に残し、他はバイクでお店を探しまわった

オレとロナウドのグループが商店街のお花屋さんの店の前にショベルが停められているのを発見し、「このオーナーと話しがしたい」と声をかけた

そこで事情を説明し、やはり近辺にハーレー屋は無い事を告げられ、落胆している中でオーナーのショベルに付いているコイルを売ってもらう事になったのだ

戻って合流してダニエルのバイクを復活させ、伊豆へ入った頃で既に20時近かったと思うし、到着した頃は完全に夜で、早朝に待ち合わせてから炎天下の中バイクを押したりお店を探しまわったりで、皆ヘトヘトだった

結局順調に走ればのんびり走っても3〜4時間程度の場所が、15〜16時間もかかった事になり、無事に到着できた安心感と疲労で、テントだけを貼って寝ようという事になったのだ(実際の時間は5時集合、22時到着ぐらいだったと思う:汗)

大人8人用のテントはとにかく巨大で、広げてみても真っ暗で全然解らず、作りが単純なドーム型のはずなのに組み立てに非情に手こずった

それはみんなが『テント』だと思っていたからで、疲労困憊している中「?」「?」「?」「?」「?」と全員が思っていた。そしてソレは、テントではなく底が無い『タープ』なのだという事に気がつくのである(汗)

毎年通い続けたUTCは、少しずつ快適さを追究する為のグランピングを目指すが、今回は思わぬ落とし穴で『涼しさ』を手に入れた変わりに『底』を失った(笑)

側面全てがメッシュ素材なので風通しが良く、素晴らしく快適なのだが寝ると直に地面なので背中が痛い…この問題が次号、驚くべき方法で解消され、また一つグランピングの高みに向かう

そんなウラ話も踏まえた上で、次号も楽しみにして頂けたらと思います

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