出発して首都高に入り、トンネルの中なのに無灯で走るロナウドに「どうしたぁ?!」と大声で呼びかけた

「ヘッドライトがスッ飛んで消えた!!」

「何ィ!?」

トンネルの中で反響し合うバイクの爆音でよく聞き取れないが、どうやらトンネルに入ったのでヘッドライトのスイッチをONにしたら、一瞬だけ点灯し、消えてしまったらしい

バルブの球が飛んだだけなら起こりえない話しではないが、メーターパネルのライトまでもが消えたと言う

「マジか? どうする!?」

「このままじゃちょっとマズイな…どこかで1回高速を出よう!!」

たしかに原因がハッキリしないまま、車の多い首都高のトンネルの中を走り続けるのは危険である

幸い1.2km先に出口の表示が出てきたので、早々に高速を出る事にした

「まいったなぁ…」地上に出て歩道にバイクを避難させ、工具を取り出しながらロナウドがボヤいた

こうなると出発直前に点かなかったETCのインジケーターのランプは、何らか関係していると思った方がよさそうである

改めて確認するとETCのインジケーターのランプとヘッドライトだけではなく、ウインカー、テールランプも点かなくなっていた

「何だろうな…」二人で相談したが、症状的に一番怪しいのはバッテリーか、電力を制御するレギュレターである

キックだけでエンジンをかけるロナウドのショベルは、セルを付ける前のオレのショベルと同様に12Vの原付用の極小バッテリーで、コイツが死んだという事になるわけだが、それはロナウドが否定した

ロナウドいわく乗らない時期はバッテリーチャージャーをつないで充電しているらしく、この日も充電してから動かすのは初めてとの事だった

「そうなるとレギュレターか?」

「とりあえずテスターで電力を測ってみるわ」

が、ロナウドが「六角レンチを忘れた…」と言い出した

バッテリーの端子から計測するためにはバッテリーケースのフタを外す必要があるのだが、フタが固定されているボルトは六角ネジの為に六角レンチじゃないと開けられない

仮にレギュレターを交換するとしても、レギュレターを固定しているボルトも六角ネジだった

「えぇえぇぇえ!? ……オレが道具出すの!?」

オレが持ってきている六角レンチが入った工具は、どうせ使わないだろうと縛った荷物の中でも、一番下の下に入れていた

「出発して早々に…コイツを全部おろすのかよ……」

オレは途方に暮れた

*****つづく