自分が実際にマンガを描く事になって、とても多くの事に気がついたし勉強になった
実は『ザ・ワイルドマン』に関しては、担当の方こそいるが中身の打ち合わせ等はなく、毎回(というか、毎週)構想からコマ割りまで全て自分の判断で描いている
ド素人だったオレが、独学で「どうすればより読者に伝わりやすいか?」を考え、単純なタッチのコマから、メチャクチャ描き込んだコマとの描き分けでの『差』を作ったりする事で、何とか笑かそうとしたりしている
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下側の女の子のコマは、『微笑んでいる表情』ならば目を線だけで描いた方が簡単だし解りやすいのだが、あえて目を開いた状態ではにかんだ表情で描く事に挑戦し、ヨメさんにダメ出しを受けて3回ぐらい描き直している(笑)
絵は得意だったが、普通に生きてきて『女の子』を描く習慣なんかなかったので、「描けるはずだけど…」で挑戦を兼ねての勉強でもある
「手ぇ、超・痛って〜」なんて苦労し、一粒一粒描いたお米を最後の仕上げで美味しそうに湯気でボカしてあえて半分ぐらい見えなくさせたり
よほどリアルに描き込んでも、『ウインドウ越し』を表現させる為に最後に半分くらい隠したりしている(泣)
バイブズありきなのでオレの与えられた2ページでの完結方式で、2ページ内に2つか3つくらいは笑いの要素を入れつつ、最後のオチまで持っていきたいと思っているのだが、これが本当に難しい
例えば、気がついている人は少ないと思うが、バイクに乗るシーンは圧倒的に『左向き』が多い(というより、99%左向きといってよいぐらい)
正確に言うと『正面』か『後ろ姿』か『左向き』で、『右向き』のシーンはほぼ描いていない
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これは、バイブズが右→左に向かって読む本で、読者が目で追って行く方向が自然に左向きになるからを意識しているのだが、実はかなり大変である
ちゃんとしたハーレーマンガでもあるようにと、ジョニーならFXだしロナウドならFLHだしで同じショベルでもベースが違う
と、いう事は、フレームの形状(ジョニーはリジッドでロナウドはまだこの時点では両サス)から違うし、ホイールもスポークホイールだったりキャストホイールだったりするわけで、その資料をネットとかで探すのだが多くの写真は反対の『右向き』写真ばかりなのである
なぜか? それはロッカーカバーやキャブレター、エアクリーナーなんかが一目で解る構図で撮れるからと、もう一つは左側にはサイドスタンドがあるからである
バイクを停めて撮る→すなわち、スタンドを立てると車体は左側に寝てしまい、さも自分の方に傾いて倒れてきてしまうようなアングルになってしまう
逆に右向きの写真で撮った方が、一発で車体の種類も解るし、キレイに収まるのである
なので『左向き』の写真は無くはないが少ないし、それが傾いていない正向きとなるとより少なく、『登場するキャラクターが乗っている車種』で『左向きでも傾いていない構図』の資料を探すのに毎回苦労していて、でもそれは読む人の心理を考えてそうなっている
また、あたり前の話だが現実世界が舞台なだけに、登場キャラクターのサイズも合わせなければならない
これが『ドラ◯ンボール』や『ワン◯ース』のように、仮想世界が舞台の話であるのなら、少々大きさが異なっても違和感ないかも知れないが、同じ環境の人物が並ぶのにサイズがチグハグだとおかしいし、ロナウドやロッキーは若干『大きく』、ケヴィンやサムは若干『小さく』を心がけ、不自然に感じる時は描き直している(この差が微妙で難しい)
2ページ完結なので使えるコマは限られているし、そこに登場人物が多いと、同じ大きさに揃えつつ、ワク内に収めるのがとても大変なのだ
これに空間=奥行きを入れると遠近法(手前は大きく、先は小さく)になるわけで、どうやって違和感なく収めるか?でホントに苦労する(笑)
表現方法にもやはりアタマを悩ませて描いていて、同じアングルであえて2回繰り返すから面白いと思うが、これが3回続けたとしたら、それはもう面白くないと思う
正面から描いた方が表情も見えるので解りやすいのは解っているが、ここはあえて表情が解らない後ろ姿を描いた方が面白かったりする(と、思う)
今週更新した先月号のバイブズ掲載分も同じで、この場面でもあえて正面から描かず、後ろ姿からのアングルで描いた方が、より深みが増すのでは?と思った
多分正解はなくて、どっちで描いてもいいのだとも思うが、考える事・追究する事はきっと大切なのだ
荒業というか武者修行というか、自分の中で100話まではと決めて毎週描き続けた甲斐もあって、描くまでは知らなかった事がたくさん解り、本当に勉強になった
物語に『筋肉』として後に活きてくる重要な『土台』になると思い、あえてみんなで国産のバイクを改造している所からスタートさせ、一応時系列に沿って描いてきている
100話で未掲載分はひとまず終了するが、バイブズでの連載は続くので、これからは単純計算で年12話が出る事になる
関わった身内は知っているはずだが、実はまだ『爆弾』が複数発残っており、この爆弾の数は12発どころではなく、軽く向こう3年分を超える
どの爆弾もホントに強力で、実話だからこそ写真にも残せてあり、こういう写真も効果的に混ぜていきたいと思っている
(例えばこれはジョニーのケガだが、一緒にいたロナウドは知っているし、何故こうなったのかもいずれ描こうと思う)
実は『ザ・ワイルドマン』以外に描いてみたい構想が2〜3作品別にあるのだが、それはハーレーとは全く関係のないマンガで(1つは少しだけヒントになっているが)、普通のマンガと同じように16〜20ページ構成のマンガだ
身体は1つしかないわけで、もどかしいかぎりなのだが、とりあえずそのうちの1作品をバイトでもしながら新たに描きたいと思っている
『画力』自体はもちろんなのだが、『ザ・ワイルドマン』を描いて本当にとても勉強になった
マンガの専門学校を卒業したわけでもなく、アシスタント経験すらないオッさんが、「いっちょやったろかい」と動き出す今後の展開に乞うご期待である
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