バイブズミーティング二日目、一般の方はこの日が初日になる
早朝6:00頃に目を覚まして外に出てみると空一面に虹が出ていた
「本モノの虹なんて何年ぶりだろう…」しかも2本である
が、よく見てみると
内側の付け根にもう1本、3本の虹だ
これは珍しいとヨメを起こし、あっという間に消えてしまったつかの間の絶景を楽しんだ
しかしこの日の午前中はあいにくの雨
台風はとっくに過ぎたはずなのに、目の前が海で変わりやすい天気なのか今回のバイブズミーティングは何度も天気予報をチェックした
すぐに止むと思っていた雨だが、次第に強まってお店の準備で商品を広げたりなんてできる状況ではなく、1〜2時間ちかく雨宿りしていた
今回一般の方の入場は午後からで、朝の段階で到着しているものの入場できずに待っている方も多く見たので、この雨は大変だったのでは?と思った
無事雨が収まった頃には水はけの良い地盤と悪い地盤が明確に別れ、場所によっては水たまりというよりは沼のように大きなぬかるみができてしまっている箇所がいくつもあった
オレたちのテントの足もとも決して良くはなかったが、前日浸水を予測してテントの中にブルーシートを1枚敷いて、その上に以前紹介したコットを二人分並べて上げ底状態をキープし、その上に更に寝袋だった為に浸水も免れたし荷物も無事だった
が、隣りのゲンさんの足もとはグチャグチャで酷く、とてもお店どころじゃない状態になってしまっていて「車で寝泊まりするから平気です」とは言うゲンさんだが、さすがに気の毒に思えた
ゲンさんは元・自衛隊でレンジャー部隊にいたという
「コイツで来て正解でしたよ!」と得意気に完全防水とやらのゴアッテクスの編み上げブーツを見せてくれたのだが、いやいやいやいや……この状況、もはや何かのミッションである
自慢のブーツのくるぶしまで泥水に使りながら「昔はこういう中をホフク前進してました」なんてあっけらかんと言うのだが、オレとヨメは引き気味で聞いていたのを気づいていなかったようだ
半分のスペースを借りているオレの方がグチャグチャならまだしも、ゲンさんに迷惑はかけられないと思ったオレは、隣りの飲食ブースのラーメン屋(たしか『堀口屋』さんという名前だった気がする)のテントの裏に置いてある、空になったペットボトルに目をつけた
ペットボトルの上をカッターで切って広げ、簡易的だがバケツを作って水たまりの泥水をかき出そうというわけだが、マスターに「空になったペットボトルをもらえませんか?」と相談に行った所「水を入れるのに使うから」と断られてしまった
マスターが「そもそも何に使う気だ」と聞くので、ゲンさんのお店を見せて「溜まった泥水をかき出したい」と言うと「車にスコップがあるから待ってろ」と言い、なんとスコップを貸してくれた
ペットボトルなんかより遥かに強力な武器を手に入れ「ありがとうございます! 後で何か買いにきます!!」とお礼を言って戻ると、スコップを見て喜んだゲンさんが「ボクがやります!」と言って緊急工事が始まった
そこはさすが元・自衛隊だったゲンさんで、水を得た魚のようにスコップでガンガン泥を出していく
単純に水をかき出すのではなく傾斜を読み出して坂の下側に向かって小さい川をたちまち造り、溜まってしまった雨水が自動的に排水されていく小さな町を作ってしまった
ゲンさんの働きぶりに感心し、オレはアルミの板で原始人のように水をかき出して手伝っていたのだが、水が抜けても泥は泥、足場の悪い地盤である事には変わりない
するとスコップを貸してくれたマスターが「本部に行けば砂利か何か敷いてくれると思うよ」と教えてくれた
ならばオレがひとっ走り行って事情を話し、お願いしてこようという事になり、オレだけ工事からハズれて本部に行った
本部にはお馴染み伊勢さんたちがいて、事情を話すと専用の厚ゴムの板があるからそれを敷こうという事になった
が、1枚の重さが大人4人ぐらいで運ぶくらい重く、通常はフォークリフトで運ぶのだけれどぬかるみだらけでフォークのタイヤがハマってしまうので走れないと言う
どうしたものかと困っていたらオキやんさんがトラックを出してくれ、トラックに積んで運んでくれた
すっかり水をかき出した地盤に厚ゴムの板を敷き、無事復旧を果たしたのであった
午後になってから天気も回復し、少しずつお客さんが入り出してきた
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最初に買いにきてくれたのは、神奈川から来たというミウラさんだ
病院でコックをしているそうだが、なんと大阪まで電車で来たという
言われてみれば確かにでリュックを背負って軽装なのだが「出店すると言っていたので買いにきました」と差し入れまで頂いた(ありがとう、美味しかったです!)
奥さんを残してきたので早々に帰らねばならないと言い、奥さんの分と2枚も買っていって頂いたが、バイクでも大変だが電車もかなり大変だたろうに、聞けば途中からはタクシーだと言っていた(汗)
東京から2ケツで自走した我々もなかなか大変だったけれど、「頑張るなぁ…」と感心したし、やっぱり凄いバイブズミーティング……
ヨメさんと感心しながら頂いた差し入れを食べている時に有香さんご夫婦が来た
最初はもちろん解らなかったし、勇気が出ずに2〜3回店の前をウロウロ通り過ぎたと言っていた
ご主人が「ココに来たかったのだとちゃんと言いなさい」と言い、「?」と思っていたらなんとあの有香さんだったと聞いて驚いたわけで、店の奥に入ってもらって色んな話をして盛り上がった
本当にお酒を呑みたいぐらいだったけれど、日帰りで帰ってしまうという事だったので名残惜しかったが再会を約束して別れた
二人が帰った後もついに会えた事の余韻にヨメと盛り上がっていた所へ、去年バイブズミーティング苗場の時に一番最初にTシャツを買ってくれたお客さんがまた来てくれた
向こうから言われてオレもヨメももちろん覚えていたのだが(去年買ってくれた翌日にさっそく着て炊事場で洗い物をしている姿を見て、とても嬉しかったのを覚えている)、次に聞いた言葉が「太りましたね」だったので傷ついた(泣)
ゲンさんのお店も好調なようだったが「まだまだです」と頑張っていて、オリジナルのナンバープレートを販売していたのでオレたちも作ってもらう事にした
普通にカッコイイ
色も選べるしアルミで錆びないので表札なんかにも使えると思う
自分のクラブ名なんかを入れたりするお客さんも結構いて、何枚も注文していく方も珍しくなかった
ゲンさんのお店も繁盛しているようで、一安心していると去年のバイブズミーティング苗場でお世話になった『ドゥードゥル50』の早川さんが遊びに来た
聞けばオレたちの反対側の出店エリアで出しているという事で、缶ビールを持たせて後で遊びに行く事を伝えた
来る途中の駿河沼津SAと浜松SAで会った、衛生班のスタッフとして参加している方が隣りのアパレルのお店で物色しているのを見かけ「無事着きましたか!」と盛り上がった
御在所SAで名阪国道の行き方を教えてくれた豊一さんも来ていて、最初に会った時には仕事の作業着姿だったのに、バリバリのバイカー姿で来たので最初は誰だか解らずビックリした
夕方になってお客さんが増えはじめたのだが風が出始め、広大な海辺の会場は恰好の風の通り道でもあって、出店用のテントが飛ばされたり骨組みが曲がってしまうのでは?と思うぐらいの強風が吹き荒れた
特にゲンさのテントは骨組みが弱く、このままでは危険と判断して一番低い位置までテントを下し、テントも外して風の影響を受けないようにゲンさんのテントと結束したりしながら暴風対策をした
予報を見てみるとこの強風は一晩続くとの事で、本来今日来るはずだった香川県の上○さんも、途中までは来たけど橋が閉鎖されて本州に上陸できないから引き返すとメールが届いた
雨と風、自然の中で過ごすキャンプミーティングならではの局面を味わい、それを乗り越える為に必要な知識や対策はやはり経験の積み重ねなのかも知れない
例えば、写真の様なオレのテントはアルミなので軽く、運ぶのには便利だけど強度は弱い
ただ、テントを外してしまえば風の抵抗を受けるのはすき間だらけの骨組みだけになるのでこれだけでもかなり風はしのげる事になる
隣りのアパレルのテントの骨組みはスチールパイプなので重く、トラックで運ばなければ積めないぐらいだけれどその分頑丈で重りもいらないぐらい強い
世間では『グランピング』というあえて設備が整えられた快適な施設でのキャンプが流行っていると聞く
ホテルのようなフカフカなベッドで寝れて、灯りに困る事もなく場所によってはソファまであってバーベキューなんかを楽しむキャンプが清潔であり快適で人気なのだそうだ
でも『自然』の中でやる以上いつでも『天候』が影響するわけで、イザという時に求められる対処はやはりこういう時の経験がないと活かされないし解らないのだろうなと思うのだった
(つづく)
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