サラリーマン時代、とある部署に移動し、そこの組織を任される事になった

直属の上司がまとまらない部下たちに頭を抱えていて「お前の好きにやっていいから何とかして欲しい」と言われた

面識もない子も多かったので一人一人と面談をし、『何を思っていて何が必要と思うか?』を聞いて回った

その時に以前話した『ろうあ』の子と初めて会い、仕事として皆と同じ扱いを受けて忙しければ会社に泊まったりする時もあるのに、会社から決められたであろう情報は聞こえないからなのか、全員が集められても自分だけは呼ばれないと言っていた

その事に疑問を感じてはいるが、全て自分には関係のない話だから自分だけいつも何も知らされないのだと

そんな事は間違っていると思ったオレは、毎日行われる朝のミーティングからその日の仕事の状況や注意事項をメモし、パソコンで入力して一覧できる様にまとめ、出力してファイリングし、日誌として残して誰でも見れる様にした

その職場には夜勤で来る交代制の人もいたので、昼間の出来事を情報として残し「必ず毎日やるから目を通しておくように。見てなかった後で『知りませんでした』は通らないからね」と呼びかけた

 

実はオレは、未だにブラインドタッチ(パソコンのキーボードを見ないでスムーズに入力する事ね)ができない

自分で『ガッツ打ち』と命名しているが、気合いだけで入力しているのでモタモタと時間がかかって遅いのだ(なので日々のブログも結構時間がかかっているのです:笑)

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だから当然、毎日作成するその日の出来事をまとめるのにも時間がかかるし、仕事が終わって帰る前に、それこそ全員帰ってからも独り残って続けていた

そんなある日、いつものようにみんなが帰ってから薄暗いフロアに独り残ってモタモタ打っていると『ろうあ』の子がメモを持ってやってきた

そのメモには「いつもありがとうございます。おかげで助かっています」と書いてあり、男泣きしそうなぐらい嬉しかった(笑)

それから以前ブログであげた様にサシで呑みに行ったりする様になる訳だが、そんな事を続けていたある日、職場の女の子が「手伝います」と声をかけてきた

その子はブラインドタッチも余裕でこなす手際のいい子で、オレがモタモタやるより遥かに速く、イッキに能率が上がった

更に別の2〜3人の女の子が「私たちも手伝います」と声をかけてくれ、もはやオレが関わるよりも全然スムーズに進む様になった

 

女の子全員から男も加わる様になり、仕事が終わった者から「じゃあ今日は私がやりますね」となって完全に分担ができ、周りの反対も出ないまま自然に当番制になった

結果的に『ろうあ』の子を中心にその日不在の夜勤の者などに伝える役割を果たすそのファイルは、オレがその部署を移動してからも毎日続けられ、最後にたまたま立ち寄った時に見てみると、ちゃんと前日の詳細が綴られ600ページを超えているのだった

(つづく)

 

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