この前二泊三日で高速に乗って沼津まで行ってきましたが、やはり高速まで使ってのツーリングは久しぶりで、とても良いものでした

前にも取りあげましたが、空冷のハーレーには今の季節は実に向いている面もあって、エンジンの熱の心配がいらないのはもちろん、乾燥した空気の中をデカイ音を響かせて走るのは、何ものにも例えがたい、非常に気持ちの良いものがあります

後は寒さに対する自分たちの防寒次第になる訳ですが、これによって楽しむ余裕すらなくなってひたすら『寒さとの戦い』になってしまうか、快適に旅を楽しめるかの別れ道になるので、装備のチョイスは慎重に慎重を重ねたいところです

個人的に一番寒いと思っている2月の真っ只中に行った訳ですが、感覚的に10℃前後気温があれば高速であろうと充分耐えられる訳で、景色の見えない夜走るのはあまり好きではないオレにとって、朝方から午前中の、まだ陽が上りきらない時間帯が一番注意すべき時間帯になりました

何を着て行くか迷いましたが「今着ないでいつ着るんだ!」という結論で、自分の持ってる中ではほぼ最高レベルの防寒で固めることにし、上はまずサーマルのロンTにウエストライドのダウンを着ました

これは『レーシングダウンスーツ』と呼ばれるだけあってかなりタイトで中にはほぼ重ね着ができない為、ロンT1枚です。ただダウンなので保温性と防風性に優れていて、それをより高める為にこの上から薄手だけれど風を通さないゴアテックスの軍用パーカーを着ました

これは裏地は無くペラペラですが、ゴアテックスなので革ジャン同様に風を通さない上、軍用なのでポケットも多く、比較的オールシーズン着れるバイク乗りに適した上着なのかも知れません

上着はこれで終わりで、上はほぼ3枚という事になります

そう考えれば超極寒の真冬の季節にこれで耐えられるのなら充分な気もしますが、下はディッキーズのズボン1枚と、パウワウのリノベーター

モモヒキ的なインナーははいていないので、下はこれで2枚だけ。裏地が全面ボアでできていて、オーバーオールタイプなので胸ぐらいの位置までカバーしてくれる訳ですが、2月の装備として上着3枚、下は2枚というカッコでも充分でした

靴はラルフローレンのウインターブーツで(確か古着屋で5,000〜6,000円だった)、これも裏地全面がボアになっているので靴下1枚で充分です

手袋は登山メーカーのブラックダイヤモンド。ゴアッテクス製でバイク用のように手首の先まで覆われているのはもちろん、手の甲(外側)部分は全面ボアになっているので、登山用に限らず、バイクで高速走行中まったく手を動かさない姿勢でいても寒くありません

もともとバイク用グローブのデザインがどうにも気に入らないのばかりで、あえてハズシのつもりでスノボなんかもまったくやらないオレでしたが、こっち方面のメーカーのモノを探して買ったものでした

指先のゴツさを見ても解る様に、しっかりと革が貼られているので、指先からの風の侵入も防いでくれます

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なので、グローブもこれ1枚で、インナーとか中に別の手袋は使いませんでした

結果、目的に沿ってその中でも特性を見極めて選択すれば、真冬の高速だろうと充分快適に走れる事が立証できた訳ですが、いくつか問題点がありました

一つはフェイスマスクを忘れたこと

冬用にしっかりしたヤツを持ってはいるのですが、オレもヨメも忘れてしまい、やはり首からは刺す様な真冬の寒さは入ってくるし、他をいくら固めても弱い部分を作ってしまうとそこから徐々にダメージを受けてくる事になります

言っても今回は東京から沼津まで、実質2時間程度なので耐えられるレベルでしたが、「ココを固めとけば完璧だったな」と感じました

後は『動きずらさ』、こればっかりはどうしようもないのですが、乗ってしまえば一般的な操作は全く問題ないものの、旧車になるオレはキックが必要な訳で、下は2枚とはいえパウワウのリノベーターとラルフローレンのウインターブーツでは動きづらく、特にかかりがよくない為に複数回キックを踏む必要がある冬場の今の時期は、その装備のゴツさが仇になってしまう事を実感しました

オレは行きの際には普段から暖房が効いたガレージでシャッターを下ろしたまま、それこそパジャマのままの超・軽装で一度暖気をして、外に出しても一発でエンジンがかかる状態に温めてから出すので問題はありませんでしたが、帰りはディッキーズ1枚で外に出て、エンジンがかかってから暖気している間にリノベーターを履きました

インナーを中にたくさん着ると、動きづらいわ暑いわになってしまうので、後からパッと着れるアウターであるオーバーパンツの方が使い勝手は良いのかも知れません

後は乗った時の『狭さ』で、オレは夫婦二人分二泊三日の荷物をバイクに積んで、それに更にヨメさんと2ケツになるので、着込んだ冬場はどうしても狭くなります

これは2ケツをしない人には関係のない悩みになりますが、夏場ほど快適なスペースじゃないにせよ、二人乗りで二人ともダウンなんか着れば(ヨメもウエストライドなので二人ともとにかくボリューミー……)シートが狭くなるのも当然なのですが、こればっかりは仕方のない問題なのかも知れません……

ただ、行きに関しては足柄から御殿場辺りで超強風が吹き荒れており、トラックなんかもグラグラしてたぐらいだったのですが、もともと車重があって重心が低いハーレーに、荷物を積んで2ケツとなれば安定性も高く、「これが1人だったら辛そうだな」と感じました

以前四国一周に行った際に瀬戸大橋を渡った時、同じ様な目に遭いましたが、その時も2ケツだったからこそ安定して走れました

結局暖かい『快適さ』を維持しながらも『動き易さ』も兼ね揃えるとなると、現状では電熱が一番という事になるのかも知れません

事実聞く所によると「暑過ぎるぐらい」という話もあるので、ホントの薄着で動き易さを確保する事も可能なんでしょう

ただ休憩とかのサービスエリアや道の駅なんかでバイクから離れた時は、保たれていた温かさはどうなるの?という素朴な疑問もしかり、オレはとにかくバッテリーに負担をかけたくない……

ましてやヨメとセットで行動する事が多いので、ヨメにも電熱=二人分となると、ちょっと現実的ではない気がします

これが例えば、バッテリーからではない、充電式の電熱ウェアなんかがあれば、オレもヨメもその装備で、予備の充電電池なんかも用意して行けば解消できるのかも

今、現行で充電式の電熱ウェアも売られてはいますが、バッテリーから引くほどのパワーはなさそうです

もう少し開発が進んで、充電式でも充分まかなえるウェアが出てくれば、購入を考えるかも知れないです

後はバイクそのもののしくみを変える

最近、セルをつける事を真剣に考えていて、2〜3年前に名古屋のジョインツの帰り、人生最大のケッチンを食らって足が腫れ上がり、大変な思いをしながら帰ってきました

バイクの振動でガンガン響く痛みの中で「家に着くまでにあと何回キックを踏まなければならないのか…」を逆算して数え、その時以来、いつかセルをつけようと思っている訳ですが、こういった動きづらい冬場の問題も解消されるので、いい加減なんとかしたいと思っています

ン十万と金額的にはバカにならない値段ではありますが、一生乗ると決めて今まで付き合ってきた自分のバイクを、歳相応の乗り易さに向けてイジッていくのもいいし、もうそろそろそんな時期かな…っていうか、ココでそれを解決すれば、これから先ずっと乗り易くなるのだろうなと思いました

 

 

 

 

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