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テッちゃんに助けられた岡崎を出てからの記憶は、断片的であまり覚えていない

昼前に岡崎を出発し、無事静岡県入りを果たしたオレは、明るいうちに沼津まで辿り着く事ができた

前日バッテリーを充電したおかげで止まる事もなかったし、もう日焼け止めも使わなかった

沼津に到着して夜、知り合いの店を転々とハシゴし、今回の旅の報告がてらに呑み歩いたが、翌日には東京に帰るため慌ただしかった

目標は七日間だったが、淡路島で1泊、高知で2泊、今治で1泊、岡崎で1泊と既に5泊しており、ここ沼津で1泊する事で6泊7日の1週間になり、そこまで長期で家を開ける事などないので、ペットシッターにお願いしたとはいえ、置いてきたロクとロサが心配でもあった

久しぶりに来た沼津でもっとゆっくりしたい気持ちもあったが、翌朝沼津を経ち、東京を目指した

沼津は毎年来ている場所でもあるので、ここまで戻ってくればもはや帰ったも同然なぐらい、大した距離じゃない

バイクのトラブルもなく昼には無事東京に帰って来れたが、都内平日の真っ昼間だった事もあり、最後の最後で大渋滞に遭遇してしまった

8月の残暑のムッとする東京のイヤな暑さを味わい、今までに比べれば全然走っていないのに暑さでヘトヘトだった

家の前まで来ると、ロクとロサを案じてオレの帰りを待っていたであろう、向いの店のオバちゃんがバイクの音を聞きつけて飛び出してきた

「よかった、よかった、帰って来た!帰って来た!」と騒ぐオバちゃんに「無事戻りました」とペコペコしていると最後の最後でエンストしてエンジンが止まってしまった

ここまできて降りてキックを踏んでエンジンをかけるくらいなら、押してガレージに入れようとすると、オバちゃんがバイクの後ろを押してくれ、いつもバイクの騒音で迷惑をかけているオレにしてみると信じられない光景だった

無事にバイクを入れて暑さでヘバッているオレに「私の店がエアコンが効いて涼しいから涼んでいきな」と言われ、向いの婦人服のお店で休んでいたら栄養ドリンクまで出してくれた

 

岡崎のテッちゃんに無事に帰った報告を済ませ、後日ホタルイカの干物をお礼に添えて、借りていたバッテリーの充電器を送った

テッちゃんを紹介してくれたバイブズの元編集長にも会い、改めてお礼を伝えて取材を受け、初めて雑誌に載った

 

色んな人の助けを受けて、総走行距離1,600km、東京から四国一周の人生初のひとり旅は、こうして終わりを迎るのだった

 

もう少しだけつづく*****