稲妻フェスティバルに行った時の事だ

バイクの駐輪場から会場までまぁまぁの距離を歩くのだが、『稲フェスあるある』で毎年会場内のトイレが非情に混み合う

なので稲妻フェスティバルでは水分を取らない様にしているし、会場に入る前、途中の商業施設でトイレを済ませて入る事が恒例だった

この日も入場前にトイレに寄る事になり、オレは商業施設の喫煙所でヨメさんが戻ってくるのを待つ事にした

喫煙所に入ると先客が1人だけ、ちょっとカタギには見えない感じの、50代中頃の男性がいて物凄い視線を浴びた

真っ黒いダブルのスーツに白い開襟シャツの胸元を開けて、ゴールドのネックレスをして茶髪の刈り込んだ髪の毛はオールバック、室内なのにいわゆるイケイケサングラスをかけたその人に、超・見られ続けたオレは「(うわ、面倒くさいなぁ…)」と思っていたのだが、その人が突然「……カッコイイねぇ」と声をかけてきた

「…………はい?」

「カッコイイ格好してるね。凄いキマッてるよ」

「あの…ありがとうございます、そちらの方が全然ビシッとしてると思いますが…」

「今日知り合いの結婚式に来ててさ、オレは宝飾関係の仕事をしてるんだけど」

「あぁ、そうなんですね」

そんなやりとりが続き、「いや〜惚れ惚れしたわ、カッコイイ」と繰り返しお褒めの言葉を頂き喫煙所から去って行った

何でこう、いい歳して知らない人から話しかけられるんだろうかと思いつつ、トイレに行ったヨメのカバンまで持って喫煙所に入ったこ汚い格好のオレの、どこがハマったのかを考えた

ハーレーに乗っていたり、近くに停めていたりでバイクとセットとしてお声を頂く事はそんなに珍しくはないが、バイクから降りていて、しかもこの日は稲妻フェスティバルの為に会場に向かうオレのようなイデタチの人はあちこちウロウロしていた

多分顔じゃなくて(残念だけど)、でも他の人たちとも違う、初対面の人に声をかけさせるまで動かしたのは何だったのだろう?

バイクに乗ってきて髪の毛はグチャグチャ、ランボーのようにヨメさんの荷物を抱えていたオレの、何がヒットしたのだろうか……

思えば少し前にcookmanさんからオレのチェッカーフラッグの写真を使いたいという申し出を受けた

この時も後ろ姿の写真だったのできっと顔ではないのだろうな(重ねて残念だけど、そんなに不細工ではない。念のため)

後に出てくるが、高知に旅行に行った際も、いつものひろめ市場で呑んでいて知らないオジさんにカッコイイと声をかけられた

マンガというジャンルは違えど、センスで勝負していく仕事を選んで、少しヒントとなるものが見えた気がした