とにかく冴えない新キャラのノック

今日はそんなノックのマンガには描かないウラ話

あらゆるツキから見放され、常任なら狂うであろうトラブルが続いてもメンタルの強さとニブさで乗り越え続けるノックは、当然(?)ながら長く彼女もできなかったのだが、仲の良い高校時代の男友達と車で遊びに行くのに、友達は彼女を連れて来るという

「お前、ソレ絶対邪魔じゃん!」、「それじゃ、お前ただの運転手だろ?」と突っ込んでもへこたれない

「(オレだったら絶対断る誘いなのに…)」と思う様な事も、何も感じないようだ

通勤電車の中で、混雑しているのに缶コーヒーを飲んでる若者が、飲み終えた空き缶を何を思ったのか網棚の上に置いたそうだ

「すげームカつきましたよ」と憤るノックに「お前、何も注意しなかったのかよ?」と聞くと「電車の揺れに合わせて強めにブツかってやりましたわ」と言う

「そんなの向こうはゼッテー気がつかねぇよ!」と突っ込んだし、そういうヤツなのである

 

当時、会社の昼メシを買って来るのは下っ端のオレたちの仕事で(オレはまぁ、もう下っ端でもなかったのだが、昼休み1時間近く前から仕事を抜けて外に出られるので、ノックたちに付き合っていたという所か)、その日はオレとノックの二人で、ザイルさん達に頼まれた昼メシを買いに外に出ていた

ザイルさんは相変わらずで「昼メシ何にしますか?」と聞いても「ジューシーなヤツ」とか「フルーティーなヤツ」しか言わない

自分なりに考えて選んで買って行くと「コレはそんなにジューシーじゃない」とか「もっとフルーティーな方が良かった」だのと勝手な事を言う

それでもノックが選ぶと殴られたりするオマケがつくので、ザイルさんの注文の解釈はオレの仕事だった

コンビニのレジでオレが会計を済ませていて、ノックは外で待っていた

レジから見える外の道路の、目の前の歩行者信号が赤に変わろうと点滅しはじめていて、オレたちはその信号を渡りたかった

コンビニの自動ドアが空いたと同時にノックに「渡っちゃおう!」と声をかけて走り出したのだが、ボーッとしてたノックがその声に驚いて飛び上がった

まさにバネ仕掛けの人形のようにびょ〜んと真上に飛び上がり、そして、これは初めて見た人間の動きなのだが、ノックの右半分の身体は『オレを追いかけよう』と駆け出そうとし、左半分の身体は『信号に間に合わないから戻ろう』と反対方向へ走ろうとし、全身がバラバラな動きをしてもつれ始めた

例えが難しいのだが、タコ型の火星人が踊りだした様な光景に、オレの中の感情で面白さという『笑い』よりも、ビックリした『驚き』の方が勝ってしまい、最初は笑撃波が来なかった

が、タコ型火星人が踊りながら「オレ、イケてねぇ〜…」とつぶやき、その言葉がツボになって一切歩けなくなるぐらい笑い崩れてしまったのであった

 

そんなノックも今は結婚し(しかも結構美人)、子供も生まれた

会社も部署は違えどオレより出世(少なくても仕事ができるタイプではない)していたので、神サマもようやくノックの存在に気がつき、あわてて大幅な人生の修正をしてくれたといった所か

来週の未掲載分もノックの話の続編になるが、そんな視点で読んでもらえるとまた一つ入り込んだ『面白さ』を感じられるかも知れない(笑)