現在発売中のバイブズに連載している『新潟キャンプ2/1〜2/2!』で、先月からの続編として新潟シリーズが完結した訳だが、ココで収まらなかったウラ話を忘れずに公開しておこうと思う

2ページでは収まらないので前編・後編と2ヶ月4ページに渡って描いた新潟キャンプだが、実際なら3ヶ月6ページにかけてか、4ヶ月8ページにまたがってしまいそうな内容でもあって、でも読む側にしてみてそこまで引っ張れないだろうなと考え、かなり凝縮して描いた

優先して込めたかったメッセージとしては2/1なら『エンジンオイルのもつ重要性』と『助け合う仲間たち』だし、2/2なら『ガソリンスタンドに泊めてくれる地域の人の温かさ』と『ゴミ袋を使ってでも工夫し合う協力性』になって、『土地特有の気候』がオチだった

(*写真は左からロナウド、ダニエル、ロッキー、ジョニーで、オイル漏れが発覚した直後あたりだろうか。1997年の話なので今から21年前になるが、ジョニーはやっぱり当時からヘルスニットを着ているのだ:笑)

なので2/1だけみても「なぜ新潟なのか?」の意味は解らないと思うが、2/2で描いたオチの通り、新潟である必要があった訳である

読者の方すべてがブログを読んでくれている訳ではないので、ここにブログ特典(?)として実際に起きていて収まらなかった話を書こうと思う

 

ジョニーのオイル漏れが原因で仲間たちから離脱する事になったジョニー&ジミー&ロナウドの3人だが、実際はバイクの復旧こそできたものの、その日に本隊との合流まではできなかった

土地勘の無い場所でハーレー屋やホームセンターを探しまわる事に時間がかかってしまい、しかも途中からは雨に降られ、すっかり陽が暮れて街灯も少ない峠をアテもなく走り続けていた

フロントフェンダーもなくてさすがにこれ以上の走行は困難となった時に、たまたまあったガソリンスタンドで事情を話して好意を受けたのである

今となっては場所も定かではないのだが(20年以上前の話なので)、そこは峠を抜けた小さい町の様で、ガソリンスタンドだけじゃなく小さなコンビニもあった

雨もしのげて食べるものも確保できたという事は本当にラッキーだったし、まさに『助かった』というような、そんな状況だった

テントを張ってコンビニで少々の酒と食料を買ってきて「散々だったな」と3人でボヤいていたのだが、その日はジミーが疲れたのか長く雨に打たれたからなのか「調子が悪い」と言い出した

特にやる事もないし、明日こそ本隊と合流できるように早々に寝るつもりだったのだが、そんな時に「すげーバイクだな!」と酔っぱらいがガソリンスタンドに入ってきた

会社帰りと思われるスーツ姿のその酔っぱらいは、歳にして50過ぎくらいだったろうか「オレもハーレーに乗ってるんだ」と言い出し、オレたちと呑み直そうとでも言わんばかりにコンビニで酒を買ってきて、やたらと酒を進めてくる

普段なら付き合ってもよいぐらいだが、この日は3人ともとてもそんな気分じゃなくて、ものすごく困った

が、そんなコッチの空気を全く読まない酔っぱらいは、自分の自宅に停めてあるハーレーを見せたいから家に行こうと言い出した

「いやいや、本当に勘弁してくれよ」状態で、どうやっておとなしく帰ってもらおうかと困り果てているのだが、自宅には美味しい地酒もあるから、みんなで家に行って呑み直そうと言って譲らない

普段ならこんな酔っぱらいを足腰が立たなくなるまで呑み潰す事のできるジミーだが、この日はそんな余裕もなく、ロナウドは下戸である

オレも2人に付き合ってもらってヘトヘトだったのだが、酔っぱらいがジミーに酒を呑ませようとすすめている姿を見て、自分の中で音が聞こえるぐらいスイッチが入れ替わったのを感じた

この感覚は今でも忘れないのだが『ガコンッ!』と明らかに何かが入ったのだ

そして「オッちゃん、オレが呑むよ」と言ってオッちゃんがジミーにすすめる瓶ビールをうばってラッパ呑みして空け「ハイ、じゃあ次はオッちゃんの番ね♡」とオッちゃんにも瓶ビールを1本空けさせた(笑)

最初こそ頑張って空けたオッちゃんだったが「おっ、じゃあ次はまたオレの番だ♡」と再び瓶ビールをラッパ呑みして「ハイ、オッちゃんどうぞ」とすすめた

スポンサーリンク

さすがにオッちゃんは嫌がったが何とか呑ませ「じゃあまたオレね♡」と更にもう1瓶を空けた

さすがにもう呑めないと言い出した酔っぱらいは「帰る」と言い出して帰って行こうとするので「地酒は?」と聞いたら「お前らにやる酒なんか無い」と捨てゼリフを言われたのだった(笑)

自分の中で別の人格というか別のモードで呑んだからか、オレは大して酔っ払ったわけでもなく、ここでも無事ピンチ(?)を切り抜けられたのでした(笑)

 

翌日早朝にガソリンスタンドを後にした我々は、無事本隊と合流し、新潟の日本海で泳いで遊び、もう1泊して帰る事になった(この時『遠浅』という、いくら岸から離れても足が底に付いているという不思議な海だったのを覚えている)

(*水道で「寒い、寒い」と言いながら無理矢理シャンプーするバカなワイルドマンたち)

そしてマンガに描いた通り、みんなでゴミ袋をかぶってさらし者になるハメになったのである

 

ちなみに『何故新潟か?』なのだが、当時広大なアメリカの地に憧れが強かった我々は『ひたすら真っすぐな直線』を走ってみたかった

それに近い直線を、関越自動車道で群馬辺りから新潟方面を目指せばそんな道があるという情報を耳にし「じゃあ行ってみようか」という話になったのである

(*写真のように、工事現場の駐車場にもならないサラ地にテントを張って泊まっていた。今見ると盛り上がってるのは本人たちだけで、絵ズラは相当ヤバイ)

憧れの『ひたすら真っすぐな直線』を実際に走ってみてどうだったか?は、退屈で眠くなった(笑)

『バイクで眠くなる』という感覚も、多分この時初めて味わったのでは?と思う

自分たちでイメージした憧れは、そこまで大した事ではなかった訳で、その後北海道を目指すのに東京から青森まででも、東京から四国まででも似た様なシュチュエーションはあったが、そこまで感激するほどでもなくて、『ひたすら真っすぐな直線』よりも『ある程度変化がある道』の方が今では全然好きだ(笑)

 

こうしてみるとやはり2話に跨がってだけではとても描けなかったストーリーだった訳で、でも面白く再現できるのならお蔵入りしてしまうのももったいない気がする

いつか何か違う回で上手く取り入れられるのあれば、描き加えて活かしたいなとも思う

 

スポンサーリンク