ロナウドが遊びに来た

「また、このクソ暑いのによく乗るなぁ」と感心するぐらいだが、ヤツの家はウチから近くてバイクで10分ぐらいだ

そしてヤツも重々承知なのでその往復の為にわざわざハーレーで来て、ウチで涼んで帰って行った

まぁ、要はちょっとバイクを動かしておくか程度の理由の、ひとつのキッカケみたいなものだ

相変わらずスポーク1本1本までピカピカに磨かれたショベルは、20年以上乗り続けているのにコンプリートエンジンで組み上げた新車のようだった

毎回見る度に磨き上げている姿勢に「マメだなぁ」と感心しているが、この男には『年期が入っている』という見た目よりも『ピカピカで奇麗』の見た目の方が勝っているという訳だ

人それぞれなので好きに乗れば良いと思うが、現行では生産されてないショベルがこんなにビッカビカなワケはなく、それこそコンプリートエンジンでも載せない限りは不可能な訳で、オレ個人としては流行に乗っかってじゃないけれど「買ったばかりなんです」と見られるよりは「ずっと乗り続けてきた年期」の方が好きだ

以前声をかけてきたハーレー乗りがオレのハーレーを見て「ボクも最近ショベルを買ったんですけど、ナンバープレートがピカピカなのが違和感があって気に入ってないんです。もう生産されてないはずのショベルを乗り続けてきたのであれば(オレのショベルのように)ナンバープレートも汚れて傷だらけのはずなので…」と言っていて、これこそが昨日今日乗り始めた訳ではない事を思わせるカッコ良さなんだと力説され『なるほどそういう考え方もあるのか』と思った

少々見づらいが、確かにオレのナンバープレートはまぁまぁボロボロで汚い(笑)

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解釈のしかた次第で、新品のナンバープレートをアスファルトにでもこすりつけるなり車で何回か轢くなりすれば、そういった風合いに近い形は出せるのかも知れない

ただその人は旧いバイクに乗るからこそナンバープレートまでも古く汚れ、傷だらけであるべき姿こそがカッコイイと思っている訳で、それとは真逆の発想がロナウドという訳だ

オレの前後のフェンダーチップを板金で作ってくれた静岡のクルマ屋さんは、名前も解らない国産の旧い車に乗っていて、奥さんに「汚いから塗り替えろ」と言われた時に「この塗装が錆びてハゲてくるまでに何年かかったと思ってるんだ」と怒ったと言い、『年期』の『深さ』を改めて知らされ驚いた

その人の発想に言わせると「奇麗に塗り替える事はいつでも再現できる。ただ年期は年月を重ねる以外、再現できないのだ」という訳で、その道で生きてきた人ならではの考えに、目からウロコというか、『なるほど深いなぁ』と思った

それを聞いて具体的にどうこう変わった訳ではないけれど、オレはやっぱり自分のバイクと一緒に走って年をとっていき、自分が歳を取るのと同じようにバイクも歳(年期)を取ればいいなと思う

そんな形で歳を取ったバイクを褒められたら、やっぱり嬉しいんだろうなと思った

ロナウドに見方を変えればヤツが誰よりも自分のバイクを大切にしている証しでもあるのでそれをロナウドに諭すつもりもないけれど、今後も磨かれ続けるであろう彼のバイクがいつまで磨かれ続けるのか見てみたい気もする(笑)

最近は日中とても走れる気温じゃないから夜に乗る事が多いとボヤくロナウドに「夜ドコに行くんだ?」と聞いたら原宿や銀座だと言っていた

「渋滞に巻き込まれてバイクの熱で倒れそうになった」というヤツに、電車でも行こうと思わない原宿や銀座に、なんでワザワザ行くのかサッパリ理解できなかった

そしてサンダルで何度もキックを踏んでいる姿を見て、改めてワイルドマン(社会不適合者)だと思った

 

 

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