大学生になった甥っ子が、友達のバイクに乗せてもらったらしい

「シゲちゃんのハーレーなんかはもっと乗り心地もいいのかね?」と言われた

『高額なハーレー』=『最高の乗り心地』……なるほど、考えもしなかった発想だ

 

今更ながらオレのショベルはサスも無ければセルも無い

フロントもスプリンガーフォークなので、それはもうガシャガシャガシャガシャと車体を揺らしながら走る

昔、人生初の一人旅で四国を目指して丸一日走り続け、何とか淡路島で泊まれる部屋を見つけた時には、手が震えて宿帳に自分の名前が書けなかったほどだ

オレは憧れだったバイクの最高峰であるハーレーダビッドソンが欲しくて、どうせ買うなら一生乗ると決めてたし、だから自分と同じ『生まれ年』にこだわった

それがたまたまショベルだった訳で、極端な話し、その年のモデルがパンならパンヘッドだったろうしエヴォならエヴォリューションだっただけだ

『乗り心地』を求めるなら全くお話にならないバイクで、シートはオーダーで三層構造(低反発+ウレタン+高反発)の特注で造ったが、それでも300km以上走るとケツが痛くなってくるので、ロングツーリングの時にはクッションを別に積んで走る

ワイルドマンのマンガでも描いたが、同じ歳のハーレーであるコイツを見つけるのに本当に苦労した

まさにマンガの通り、日本中のハーレー屋さんに片っ端から電話したし、見かけた店に飛び込んでやっと見つけたぐらいのバイクなので、もうコイツをいかに大事に乗って行くか、大事に付き合って行くかがとにかく重要で、自分にとっての乗り心地はコイツに合わせていくしかない

近々未掲載分のテーマで取りあげるが、バイクを『物』としてとらえるかなんだと思うし、知らない人に「売ったらいくらぐらいで売れるの?」なんてドッチラケな質問をされる事があるが、オレは自分のハーレーを『物』としてとらえてないので『売ろう』と思った事がない

昔、ヘッドをつなぐオイルラインからオイルが漏れていて、オイルがずっと右足にかかりながら高速を走り続けた事がある

それまでは高温で熱いと思っていた走行中のエンジンオイルだが、実際足にかかってくるエンジンオイルはどちらかというとぬるく、温かかった

Gパンの右足だけがエンジンオイルでグチャグチャになりながら、「まさに人間の血液と同じで、これ(オイル)が空になった時、コイツは死ぬ(焼きつく)んだな」と思った

オレのは1200cc(正確には1300ccぐらいかな)だが、ツインエンジンだから1つのピストンで600cc、軽自動車1台分のピストン2個で動いている事になる

しかも空冷なので「夏場なんて気持ちいいでしょう?」なんて言われるけど冗談じゃない

煮立った釜の上に座り続けている様なものだ

でも一番シンドイのはコイツ自身だと思っているし、夏場なんかは油圧計とたえずにらめっこで、場合によっては日陰にバイクを突っ込んで休ませたりもする

その状態を確認する為に付けた油圧計だし、コイツが夏場、特に熱に弱い事を知っているからこそ気にしてやらなきゃならない

なんせコイツもそこそこ歳なので、無理をさせたくないし、先の信号が赤なら、もうアクセルは開けずにいかに風を当てながら信号待ちの時間を稼げるか?を考えている

いたわりながら、大切にしてきたからこそ、東京から四国一周とか(1600kmぐらい)を一緒に走れると、ホントに感動するぐらいだ

もう25年近く、雨の日も風の日も、トラブルも全て、一緒に走って来た相棒なのだ

そんな相棒のタンクキャップには、生まれ歳である『1973』と

『大切な相棒』を意味する『My maria(マイ マリア)』の文字が入っている

相棒は普通、売らないもんな

オレの昨日紹介したサドルバッグを含め、オレの財布やベルトなんかまで造ってくれる、カバン屋のモッチーも「解る、ソレ!」と言っていたのだが、これだけ長く乗ってきていても、いまだに天気が良かったり、道路がメッチャ空いていて快適だったりすると、1人でニヤけてしまう時がある

コイツに乗っていて「ヤベェ…最高だ」と、嬉しくなってしまうのだ

 

「ケツは痛いけどよ、『乗り心地』は最高なんだゼ?」って言って、伝わるのかな(笑)

「解んないだろうな〜?ま、いいけどサ♡」で、ある